【マニュアル】は、ふつう「手順」「手引き」などに訳される。 接頭辞「manu-」はもちろん、manualそのものも、本来が「手」「手先」を意味していることから、これはなかなか座りのいい訳語だと思う。とはいえ、現在の日本で【マニュアル】といえば、収拾のつかないほど多くの意味を背負わされているのではないだろうか。 作業の効率確保を主とするマニュアル(「効率マニュアル」)も、品質の管理を主とするマニュアル(「品質マニュアル」)も、作業における危険の排除を主とするマニュアル(「危険排除マニュアル」)も、ひとくくりである。しかしたとえば「サラダ盛付」のマニュアルも、1999年に臨界(突破)事故を起こしたJCOの「ウラン燃料製造」のマニュアル(または事故を誘発した裏のマニュアル)も、同じマニュアルの類として一律に扱うのは、無理があるとわたしは思う。 大学の産業関係の学部学科では、このあたりの事情は、ど