小林 直樹 日経デジタルマーケティング記者 2007年「日経デジタルマーケティング」の創刊に参画。現在同誌記者。1999年の東芝ビデオクレーマー事件の取材をきっかけに、ネット“炎上”案件の取材、執筆、講演がライフワークになっている。 この著者の記事を見る

誰でも、10代や20代のはじめに将来の進路を考えるときには、自分を見つめ直すもの。ところが、見つめても見つめても、なかなか本当の自分というものは見つからない。そこで自分探しを始める人もいるだろうし、目の前の現実に流されたり、妥協したりしてしまう人もいるだろう。 しかし、現実に流されたり妥協したりして過ごせるなら、まだ幸せなのかもしれない。妥協しても流されても、どうにもならない居心地の悪さに苦しめられる人も決して少なくはないからだ。折り合いをつけて就職したものの、仕事が、あるいは職場の環境や人間関係がつらくて仕方がない……。そのような事情で会社を辞め、やむを得ず事業を起こした“後ろ向き”な起業家に話を聞いているのが、このコラムである。ネガティブな事情で起業した人がその後、どうやって成功に転じたのか。その秘密に迫る。 今回ご登場いただくのは、コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀氏。N
訪日観光客の勢いが止まらない。「2020年に年間2000万人」の目標は既に射程に入り、さらに4000万人に引き上げる案も浮上する。そうした中、一部の観光都市にとどまっていた効果が地方に波及し始めた。日本人が魅力的に捉えなかった、何気ない田舎の日常風景。それが外国人の目には新鮮に映り、貴重な観光資源に変わる。観光資源がないと諦めていた「おらが村」に外国人を呼び込む。インバウンドの第2ステージ、それは地方創生の原動力になる。 日経ビジネス11月30日号の特集「おらが村のインバウンド」では、インバウンドの第2ステージにいち早く取り組み始めた企業や地域の成功例や失敗例を提示し、成功の秘訣を探った。この連載では、特集の連動企画として、誌面では紹介しきれなかった地方や海外の先進的な取り組みの詳細をリポートする。 人口約2300万人に対し、年間991万人もの外国人観光客が訪れる台湾。アジアでも有数の観光
工場から椅子を撤廃したことなどで注目されるキヤノン電子は、1999年に社長に就任した酒巻久氏が徹底的な経営改革で業績を改善させた。その酒巻氏の最新刊は『見抜く力』。見抜くとはどういうことなのか、どうしたら実行できるのか。経験に基づいた見抜き方と、改革目標への到達の仕方などについて、日経トップリーダー「週刊 社長@ボイス」キャスターの内田まさみさんが聞いた。 酒巻:見抜くというのは難しい、だから、見抜けないことをいろいろと集めてみて、その逆のことをやればいいんじゃないかと思って書いたのが、『見抜く力』です。見抜くのが難しいと思ったなら、何がそこにあるから見抜けないのかを考えれば、見抜けるようになるんじゃないか、ということです。 見抜くことは、先を見ることと一緒です。人を、市場を、技術の展開を見抜くことは、先を読むことだと私は考えています。 例えば、今日、帰り道で事故に遭うかどうかは分かりませ
行動ターゲティングが日本で登場して約10年。DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)やRTB(リアルタイム入札)の登場以降は、ユーザーへの広告表示1回ごとに入札競争が行われ、「枠から人」という言葉も生まれた。しかし、ネット上の行動捕捉は、消費者行動の中の一部でしかない。DSP/RTBが単なる顕在層への「リタゲツール」にとどまったままではもったいない。 リアル行動データの価値とは 消費者のリアルな場での行動を捕捉した「リアル行動データ」は大きな可能性を秘める。例えば、住宅展示場に足を運んだ人は、住宅メーカーにとっては、のどから手が出るほど欲しいターゲットである。自社展示場まで赴いてくれた人なら、営業担当者が対応することもできるが、来訪者にとってみれば、すべての展示場を見て回ることは不可能に近い。自動車メーカーにとって、その人が実際に自動車をどのように使っているのかは、もっとも知りたい情報
本連載では、一昨年まで米ビジネススクールで教鞭をとっていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。筆者は11月24日に日経BP社から『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』という本を刊行しました。日本では通常知り得ない「世界最先端のビジネス知」を、日本企業への示唆を交えて、事例も豊富に分かりやすく紹介しています。発売間もないのですが、おかげさまで早くも大変な反響をいただいているようです。ぜひ手に取っていただければと思います。 さて、今年11月、東京都渋谷区が同性婚のカップルに対し、結婚相当の関係にあることを証明する「同性パートナーシップ証明書」の交付を始めました。話題になったので、ご存じの方も多くいらっしゃるでしょう。電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2015」によると、同性愛者・性同一障害者などいわゆるLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー
名実ともに師走相場を迎えた12月1日の東京株式市場で日経平均株価が3日ぶりに反発、前日比264円93銭(1.34%)高の2万12円40銭で取引を終えた。2万円台乗せは8月20日以来、約3カ月ぶりで、中国発の連鎖株安が起きる前の水準を回復した。ヘッジファンドなどの買い戻しが中心だが、市場では政府と経団連が11月末に打ち出した2つの政策協調をはやす声も多い。 1日は午前9時の取引開始前からトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グル-プなど主力銘柄に大口の買い注文が相次いだ。財務省が朝方発表した7~9月期の法人企業統計で、当初鈍化するとの懸念が強かった設備投資が想定外に大きく伸びたことも日本株の買い安心感につながった。 野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・アナリストは「ヘッジファンドなどの海外投資家が業績対比で割安感の出た日本株を再び買い始めている」と話す。そしてこう付け加える。「彼らに
日経BP社が12月4日に初めて開催するスポーツビジネスのシンポジウム「Sports Innovation Summit 2015」──。10月に発足したスポーツ庁の初代長官に就任したソウル五輪金メダリストの鈴木大地氏、アシックス社長CEOの尾山基氏が基調講演を行うほか、キーパーソンたちが登壇し、スポーツビジネスの最新動向やビジネスモデル、先端テクノロジーの活用情報、普及に向けた課題などをテーマに議論する。 この連載では、同シンポジウムの開催に先立って、登壇するキーパーソンの革新的な取り組みや先端テクノロジーの活用例などを描いた関連記事をお届けする(スポーツビジネスのトピックスを紹介する新たなサイト「スポーツイノベイターズオンライン」はこちら)。 今回は、野球のバッティングなどの可視化センサーを開発し、「脱・売り切り」型のビジネスモデルの構築を目指すスポーツ用品大手、ミズノの取り組みをリポー
車いすバスケは、いわゆる「障がい者スポーツ」の競技の一つだ。障がい者スポーツというと、どうしても「リハビリ」「レクリエーション」というキーワードが連想され、「激しさ」「スピード」というイメージは涌きにくい。事によっては「障がいを持つ可哀想な人々が行うスポーツ」という目で見られてしまうことすらある。しかし、実際に生で観戦した人から漏れるのは、そうした感想ではない。 IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉で初めて車いすバスケを目にしたひとりで、ソウル五輪の金メダリスト、スポーツ庁初代長官の鈴木大地氏も「激しくてアグレッシブで、恐れずに相手にぶつかっていく。選手たちはアスリートであって、ファイトあふれるプレーには感銘を受けました。『障がい者スポーツ』というと、こういった激しいイメージは抱かないので、別の呼び方を考えていきたいと思う」と、競技を観た感想を語っている。 試合会場には車いす同士
「クソ馬鹿ハゲ野郎」「こいつを自殺させるのが、当面の希望」──。新潟日報上越支社の報道部長がツイッターの匿名アカウントを使って様々な人にこうした雑言を浴びせ、経営管理本部付に左遷されるという事件が起きた。 っと、このコラムを半分ほど書いて、「もしや……」と思い日経ビジネスオンラインにアクセスすると……。ああ、やっぱり……。小田嶋サンが取り上げていた。あああ、ど、どうしよう。ええ!! し、しかも金曜動画ショーでも取り上げているぞ!! だが、ん? ホッっ。あ~。違った。うん、私が書こうと思っていたテーマとは、どちらも全く違う。下手にインプットされると、自分の言葉で書けなくなるので、どちらのコラムもざっと流し読みしただけだが、うん、大ジョブ! 同じなの、入り口だけだ! っというわけで、このまま書き進めます。まぁ、要するに、ネタがかぶるほど、この事件がしょうーもない事件だったということだ。 いずれ
訪日観光客の勢いが止まらない。「2020年に年間2000万人」の目標は既に射程に入り、さらに4000万人に引き上げる案も浮上する。そうした中、一部の観光都市にとどまっていた効果が地方に波及し始めた。日本人が魅力的に捉えなかった、何気ない田舎の日常風景。それが外国人の目には新鮮に映り、貴重な観光資源に変わる。観光資源がないと諦めていた「おらが村」に外国人を呼び込む。インバウンドの第2ステージ、それは地方創生の原動力になる。 日経ビジネス11月30日号の特集「おらが村のインバウンド」では、インバウンドの第2ステージにいち早く取り組み始めた企業や地域の成功例や失敗例を提示し、成功の秘訣を探った。この連載では、特集の連動企画として、誌面では紹介しきれなかった地方の先進的な取り組みの詳細をリポートする。 「2020年に2000万人」という訪日外国人の目標値を「2020年に3000 万人」や「2020
日経BP社が12月4日に初めて開催するスポーツビジネスのシンポジウム「Sports Innovation Summit 2015」──。10月に発足したスポーツ庁の初代長官に就任したソウル五輪金メダリストの鈴木大地氏、アシックス社長CEOの尾山基氏が基調講演を行うほか、キーパーソンたちが登壇し、スポーツビジネスの最新動向やビジネスモデル、先端テクノロジーの活用情報、普及に向けた課題などをテーマに議論する。 この連載では、同シンポジウムの開催に先立って、登壇するキーパーソンの革新的な取り組みや先端テクノロジーの活用例などを描いた関連記事をお届けする(スポーツビジネスのトピックスを紹介する新たなサイト「スポーツイノベイターズオンライン」はこちら)。 今回は、ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会での日本代表チームの大躍進を黒子として支えたITベンチャー、ユーフォリア(東京・千代田)の
11月13日、フランス・パリで同時多発テロが発生。120人以上が死亡した。大変痛ましい事件であり、犠牲者の冥福を祈るばかりだが、環境問題推進者としては、大変気になることがある。それは、11月30日から12月11日までパリで開催される予定の「COP21」(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)への影響だ。幸い、予定通り開催されるものの、その成果となると、交渉は前途多難と言わざるを得ない状況だ。 日本の温暖化対策は「不十分」 COP21では、各国が掲げる温室効果ガス(CO2など)の「削減目標」をベースに、2020年以降の温暖化対策の枠組みづくりを目指す。 ところが、世界の専門家の分析によると、何と、今、各国が提出している削減目標案を全て足し合わせても、温暖化の抑制には全く足りないというのだ。研究者の間では、水害、干ばつ、海面上昇、砂漠化、農業・漁業への影響、健康被害などを考え、産業革命前と
にんべんと耳にして、まず思い浮かぶのは鰹節。幼い頃、祖母の家に行くと「今日は鰹節係をやってね」と言われ、削り器に向って鰹節を握ったのを思い出す。「これがだしになるのは不思議」と子供心に思ったものだ。主婦になってからは、すっかり不精して鰹節パックを使うことがほとんど。ただ「鰹節と言えばにんべん」という刷り込みから、にんべんのものを選んできた。 社長を務める高津さんとお会いしたのは、ある会合でのこと。知り合いに紹介されたのだ。「若くして既に老舗を継いでいらっしゃる。生真面目で穏やかな方」という印象だった。それからまもなく、にんべんが展開しただしを飲めるユニークなショップ「日本橋だし場」が話題を呼んだ。訪れてみると、これが美味しい。面白い試みと感じ入った。だし場はその後、東京の丸ビルや、羽田空港国際線ターミナルなどへ広がっている。 どんな経緯で、このような試みを始めたのか――。お話をお聞きしよう
自分を振った女とわだかまりなく飲めますか Q昔、ある男性をこっぴどく振りました。その男性に対して友情のような思いがずっと消えず、数年してから「飲みに行こうよ」と普通に連絡しました。ですが、全く取り合ってくれません。これからは、良い振り方をしなければと反省しております。島地さんは、昔自分をこっぴどく振った女がその後何十年もたって和解を申し入れてきたとしたら、受け入れられることができるほどの器のある男ですか。もし、いま、昔の彼女がただ純粋に会いたいと言ってきたときに、たとえ過去にどんなに苦い思い出があろうとも、それを払拭して心からわだかまりなく酒を飲むことは可能ですか。 (29歳・女性) シマジ ミツハシ、何がおかしい? ミツハシ 「男をこっぴどく振った」という表現がそこはかとなくおかしくて。〈小っ酷い〉なんて言葉を29歳の女性が使うんですね。「小汚い」とか「小難しい」とかの、接頭語「こ」+
コミックやアニメでヒットした「2次元」の作品を、「3次元」の俳優たちが登場人物の口癖まで忠実に再現し、歌や踊り付きで舞台化した「2.5次元」ミュージカルの人気が高まっている。 2000年に上演された『HUNTER×HUNTER』を始まりとし、2003年に上演された「ミュージカル『テニスの王子様』」のヒットで人気が定着した。2010年に年間観客動員数40万人を突破した後、人気が急上昇。2.5次元ミュージカルの原型を作ったエンターテインメント企業、マーベラスやネルケプランニング(東京都目黒区)に続き、東宝やホリプロなど大手も相次ぎ運営側に新規参入。2014年には年間観客動員数が200万人を超えるほど市場規模が拡大した。観客はほぼ10~20代の女性である。 人気の高い「ミュージカル『テニスの王子様』」(テニミュ)や「ミュージカル『薄桜鬼』」(薄ミュ)、「舞台『弱虫ペダル』」(ペダステ)などはシリ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く