ずっと、俺を中心に世界が回ってると思ってた。たとえば、外出するときには、俺の足の動きに合わせて、地面が動いているっていうふうにね。まあ〜、その〜、動く歩道みたいな感じ。 で、最近、そのことに疑いを持つようになったんだよ。 「そもそも地面が動いているんだったら、動く歩道を作った人はなにを考えたんだろう?」って。 あれは、地面の動きを止めるための機械なんだろうか? とすると……停止した地面の上を、人間が動いている……? 「そのとき、俺が動いた」 動く歩道に乗った俺は、宇宙の中心であることをやめた。まさにコペルニクス的転回。宇宙には、複数の中心が存在することを俺は知ったね。 でもね、いまだに自分*1が宇宙の中心だと思い込んでいる人がいるのは確か。 俺はそういう人に弾圧されたら、言ってみたいね。 「それでも俺は動いている」 *1:特に一人称をワスとか称する人。ここを読んでる人にはいないと思うけど