「CDから無制限のデジタル・コピーはできないはずだった。その約束がいつの間にか反古にされて,パソコンを使うと自由にコピーできるようになっていた。その経験がトラウマなんですよ」――。 Blu-ray Disc録画機とその媒体を私的録画補償金制度の対象に加える,いわゆる「Blu-ray課金」の実施が遅れているのはなぜか,を調べるために最近,取材に回っています。Blu-ray課金は2008年6月17日に突如,当時の文部科学大臣と経済産業大臣の「大臣合意」として実施が発表された政策です。 両大臣は合意の意図を,当時暗礁に乗り上げていた地デジ録画機向けの新しい著作権保護ルール「ダビング10」の実施に向けた「環境整備のため」と,それぞれの記者会見で説明しました。大臣の意図はすぐに効果を発揮し,直後の2008年6月19日,ダビング10の運用開始が急転直下,決定します。こうして北京五輪商戦にギリギリ間に合
平成21年通常国会 著作権法改正について 1. はじめに 著作権法の一部を改正する法律が,第171回通常国会において,平成21年6月12日に,成立しました。(公布日:平成21年6月19日)本法律は,一部の内容を除いて,平成22年1月1日に施行が予定されています。 改正法の概要及び条文は,以下のとおりです(青字の部分にカーソルを合わせてクリックすると,内容を見ることができます)。 著作権法の一部を改正する法律 概要(PDF形式(428KB)) 著作権法の一部を改正する法律 条文(PDF形式(156KB)) 著作権法の一部を改正する法律 新旧対照表(PDF形式(252KB)) また,改正後の著作権法は,e-govのウェブサイトに掲載されています。 以下,改正法の趣旨及び内容の概要についてご紹介します。 2.改正の趣旨等 今回の改正は,「文化芸術立国」,「知的財産立国」の
この3月9日に写り込みに関する権利制限やDRM回避規制の強化を含む著作権法改正案が閣議決定を受けて国会に提出された。(衆議院の議案経過ページ、文部科学省のHP、internet watchの記事、ITproの記事参照。) 今までさんざん日本版フェアユースがどうこうと言われて来たが、文化庁の検討を経た結果、実際に提出された著作権法改正案では、権利制限の一般条項(フェアユース)は完全に影も形もなくなり、その関係では、いつも通りいくつか狭い権利制限が作られるだけに終わった。そして、国立国会図書館や国立公文書館における利用に対する権利制限については評価できるものの、何故か前から入れるとしていたリバースエンジニアリングに関する権利制限の導入は今回も見送られ、同時に文化庁としてはどうにも権利制限だけを行うことがしたくないのか、例えばDVDの私的なリッピングを明確に違法とするようなDRM回避規制の強化も
平沢さんがプロミュージシャンとして最初にインターネットへ軸足を移して10年。無料配信やインタラクティブライブ、今回の「還弦主義」など、続々とネットを通じたパフォーマンスを展開してきた。その結果、この音楽不況下にあって売上を伸ばし続けているというから驚きだ。その秘密は何か? というのが今回のテーマ。 「新しいスタンダードを作った方が早い」 という前回の平沢さんの発言は、明快かつ示唆に富んでいる。いま「旧(ふる)いスタンダード」のシステムが壊れつつあり、それらを延命させるために様々な規制が講じられつつある。 だが、本来音楽は、そうしたものとは無関係にあって、そうしたものと戦う必要もない。10年前にそこから抜け出す最初の一歩を踏み出した人は、それを「体感」として語ってくれた。むしろシステムに乗った途端に失われるものについても。 では、インタビューの続きをお楽しみください。 ビジネスモデルと呼べる
ここしばらく「そろそろ音楽を止める潮時かな」と漠然と考えている。 ここで言う音楽とは自分の職業としての音楽のこと。趣味に近いたまにやるライブであったりバンド活動だったり毎晩作っている”おやすみ音楽”だったりのことでは無く、職業演奏家・作曲家・編曲家・レコードプロデューサーとしての音楽との関わりのことだ。 音楽制作の現場においていつの頃からかその制作費の締め付けが厳しいモノへと変わって来た。それは当然だ。単純に作った商品が売れなくなってしまったからだ。売れなくなった理由・考察はこの場では割愛するが、現実としてそういう状況だと。 すると単純に今までやって来た(培ってきた)技術・方法は使えなくなって来る。どんな形であれ音楽制作には経費が派生する。その経費は”音の作り方・クオリティそのもの”に正比例する。 僕らはよりよい音楽(音)を作ろうと日々努力する。そういう仕事だから当たり前のことだ。 よ
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