チームの主軸を担った清武。ドイツ移籍初年度は葛藤と戦った1年でもあった 【Bongarts/Getty Images】 スタジアムを後にしようとすると、日本人に気付いたオジさんから声を掛けられた。「今日は良かったよ、ありがとな! また今度も頼むよ!」。顔を赤らめたオジさんが日本人に対して上機嫌だったのはビールを飲んでいたからだけではない。この日、微笑みの国からやってきた「フットボールの芸術家」は、強豪シャルケ04を相手にニュルンベルクの2つのゴールを演出し、彼の愛するクラブを勝利に導いた。 清武弘嗣は、人口50万人のニュルンベルクの街において、0.1パーセントにも満たない日本人の存在感を高めた。移籍1年目でリーグ戦31試合に出場し、4得点10アシストを記録。得点とアシストを合わせたスコアポイント14はリーグ23位タイで、この数字はチームで断トツだ。清武が得点に絡めなかった試合の勝率は31パ