戦争直後の特殊事情があった吉田茂元首相はひとまず置くとして、戦後の歴代首相の中で、在任期間が最も長いのが佐藤栄作、小泉純一郎、中曽根康弘各元首相です。 この3人に共通しているのは、実態にそぐわない栄誉と名声を受け、政治責任を取らないまま、まんまと逃げ切ってしまったと言うことです。 たとえば、佐藤栄作氏は首相退任後の1974年に非核三原則を日本に確立したことを主な理由にノーベル平和賞を受賞していますが、日米両政府に核持ち込み密約があり、沖縄返還が核付きのものであったことは今ではよく知られた事実です。 佐藤元首相がノーベル平和賞を受賞したのは、時あたかも、佐藤氏の愛弟子田中角栄首相のロッキード疑惑が持ち上がり始めたときでしたが、佐藤氏自身、自民党幹事長時代に造船疑獄があったにもかかわらず、犬養法務大臣による検事総長への指揮権発動で起訴を逃げ切った過去がありました。 そんな佐藤氏が首相になること