1949年、大阪文楽座の一行を招いて行われた新宿区民大会の公演。文楽が、戦災に苦しんだ市民を励ました=東京都新宿区鶴巻町の戦災者住宅鶴巻アパート屋上で 文楽の人間国宝、竹本住大夫さん(87)が脳梗塞(こうそく)で倒れた。橋下徹・大阪市長=似顔絵=から補助金凍結の圧力をかけられ、文楽界が対応に苦慮するなかでの出来事。一体何が起きているのか。【戸田栄】 「人あっての芸です。住大夫師匠の急病は、文楽の本当の危機でした。幸い病状は軽く、今は一刻も早い回復と舞台復帰を望むばかりです」(国立文楽劇場の関係者) 住大夫さんが倒れたのは今月12日。周囲は心労が原因とみている。 流れを振り返る。昨年12月の大阪市長就任以来、橋下市長は文楽への市の補助金を問題にし、昨年度比25%減の3900万円とする方針を推し進めてきた。さらに、補助金を巡るヒアリングとして、文楽の技芸員(太夫、三味線、人形遣いら演者)との公