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ブックマーク / webrog.blog68.fc2.com (7)

  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「兵士は天皇のために死んだ」という建前が消えた戦後 -小沢郁郎『つらい真実 虚構の特攻隊神話』再読-

    小沢郁郎『つらい真実 虚構の特攻隊神話』を再読した。 これで何度目か。 すでに他のブログさんで取り上げられている( これとか、これ。あとはこれも )が、「特攻」を知る際、読んでおきたいの一つだ。 とりあえず、書いておきたいことだけ。 大西瀧治郎が発案したとされる海軍の特攻作戦だが、実際は、中沢佑作戦部長は、神雷部隊の編成に同意していた。 (この部隊は、特攻兵器「桜花」の専門部隊である。) そして、大西の特攻隊編成以前に、軍令部レベルで、体当たり戦術が海軍戦術として公式に採用されていた。 大西が「発案」というのは、正しくなかったのである(116頁)。 (もう少し詳しい話は、こちらのブログさんの記事をご参照あれ。) 戦前、海軍省は、天皇のために特攻隊員は献身して死んだ、というふうに書いた。 だが戦後になると、天皇のためとは言われなくなり、家族や同胞を含む民族のために死んだ、と言われるようにな

    kodebuya1968
    kodebuya1968 2014/07/12
    天皇を父、皇后を母とする国でもなかった我がニッポソ。「戦前には、「家族のために死ぬ」という兵士の論理を、軍側が拒否した事例がある。」
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 雇用の常識、探ってTRAY・戦後日本の雇用編 -海老原&荻野『日本人はどのように仕事をしてきたか』雑感-

    海老原嗣生・荻野進介『名著で読み解く 日人はどのように仕事をしてきたか』を読む。 戦後に出版された(日の)雇用系「名著」の中身と、その歴史的な存在意義を解説している。 だが、それだけではなくて、その「名著」の著者たちの「コメント」(反論?)も掲載している。 とても勉強になるだけでなく、フェアな書物でもある、といっていいだろう。 著者側と、読者側のスタンスや考え方の違いを踏まえて読むのが、このを楽しむコツである。 この著者の一人については既に、ここの記事で書いたことがある。 興味のある所だけ。 戦前では旧制大学を卒業して職員として入社した新入社員の初任給は、50代の熟練工員の三倍以上だった(21頁)。 それだけではない。 職員は月給制に対して、工員は日給制。 各々で、使えるトイレや売店も違い、売店で売られている品目も差がついていた。 片や内地米、片や植民地の外地米である。 まさに身

  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 戦後になっても、靖国神社がついに己自身を克服できなかった件 -赤澤史朗『靖国神社』を再読する-

    赤澤史朗『靖国神社』を再読する。 (たぶん)知られざる良書である。 いつもどおり、興味のあるところだけ取り上げていく。 「靖国神社の祭礼には、競馬やサーカスなどの娯楽が付きまとい、多くの観衆が集まった」というふうに、庶民にとって靖国神社が親しい存在だったことを説明する研究がある(20頁)。 だが、戦前の靖国神社は、神社が強力な軍の管理下に置かれていたし、また例大祭などの祭典に正式に参列できるのは、軍や国家の代表者だけであって、庶民はもとより、遺族すらも参列できなかった。 戦前期には、祭礼の合祀に際して、遺族は合祀祭への参加を許されず、かろうじて招魂斎庭から、殿に向かう御羽車を拝んで見送ること、祭典終了後の昇殿参拝が認められただけであった。 戦前における靖国神社の遺族に対する位置づけは、実はこのようなものである。 遺族会として勢力が強くなるのは、戦後のことである。 ところで、上記の「庶民に

  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「謝罪」、責任をきちんと認めるということ -中尾知代『日本人はなぜ謝りつづけるのか』について-

    中尾知代『日人はなぜ謝りつづけるのか』を読む。 以前、日英和解の記事が話題になって、それで書を再読した(二度目)。 タイトルはアレだが、いたってマトモな。 こちらの書評が一番丁寧である。 気になったところだけ。 ある捕虜の未亡人について(39頁)。 彼女の夫は、捕虜時代の後遺症で次々に病気を発症した。 そのため、彼女の人生はほとんどが、病院通いと介護で費やされた。 しかし、病院費用の領収書を持って行政の福祉課を訪れても、相手にもされなかった。 こうした死亡者リストに入らずに存命した者でも、多くの者が心身衰弱の後遺症で早世している。 そして著者は思い出す。 母校の高校の恩師でシベリア抑留の経験者が、ふとした風邪で早世してしまったことを。 「一度徹底して痛めつけられた身体は、外見からはわからない後遺症を抱える」。 「捕虜」の問題とは、戦争終結で終わっているのではなく、戦後の後にも続いてい

    kodebuya1968
    kodebuya1968 2012/08/28
    自分には関係が無いから謝れるということがあるんだろう。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「護民官」としての安全管理職と、東電及び電力不足への対策について  -竹森俊平『国策民営の罠』を読む-

    竹森俊平『国策民営の罠』を読む。 実に読み応えのある良だが、Web界隈では、書評が少ない気がする。 内容については、こちらの評をお勧めしたい。 内容のまとめとしては上の評でいいと思うので、それで終わりにしてもいいのだが、それじゃ何だか芸がないので、いくつか書いておこう。 著者は、今回の原発事故の背景には、日にずっとある「安全管理」についての、先進国とは思えぬ酷い対応があるという(まあ当然だ)。 そして「日は官民一体となって『安全管理』という職種の地位向上を図るべきである」という(86頁)。 なぜ「『安全管理』という職種の地位向上」なのか? 安全管理というのは、当然、危険と判断した仕事をストップさせることを意味し、それは(短期的な)企業の利益に反するケースが多い。(長期的には別だろう。) そして、企業側にとってマイナスなものとして、捉えられてしまいかねない。 結果、安全管理の責任者は、

  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 二大政党制じゃなくても、ちゃんと政治ってできるから。これ豆な。 -吉田徹『二大政党制批判論』を読む-

    吉田徹『二大政党制批判論』を読む。 正直、第3章が一番面白い。 それ以外の章は、その分、色あせてしまうくらいだ。 政党助成金。これは世界各国で導入されている。 ただ、ドイツでは、90年代に入って、政党活動の自由に抵触する可能性があると憲法裁判所が認め、助成額は政党の収入を上回ってはならない、っていう判決が出ているらしい。 で、日の場合、政党助成金の上限がない。 2003年の場合、民主党のうち85%、自民党の60%、社民党の61%が、政党助成金でまかなわれている。(しかも、この助成金は積立可能。) もし、健全な政党政治を目指すなら、イギリスのように、野党だけに政党助成をすべきだろう(128頁)。 英国における「ショートマネー」と呼ばれる政党助成も、野党の第一党のみに与えられる。 (ただし、英国の場合、2000年から、与野党ともに「政策開発補助金」という補助金が出ている。) 日の場合は、与

  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「新自由主義的医療改革の本質的ジレンマ」 -医療と経済の常識- 二木立『医療改革』を読む

    二木立『医療改革』を読む。 小泉政権における、医療に対する新自由主義的改革がなぜ挫折したのか。 そこには根底的な理由がある。 新自由主義的医療改革を行うと、企業の市場は拡大する一方で、医療費(総医療費と公的医療費の両方)も拡大し、これが医療費抑制という方針に反するためだ。 著者はこれを、「新自由主義的医療改革の質的ジレンマ」と呼んでいる(5頁)。 根拠は何か。 それは高所得国における医療改革で、次のことが確認されるからだ。 1、営利病院は非営利病院に比べ、総医療費を増加させ、しかも医療の質は低い。 2、混合診療を全面解禁するには、私的医療保険を普及させることが不可欠だが、私的医療保険は医療利用を誘発し(儲けるためだね。)、公的医療費・総医療費が増加する。 3、保険者機能の強化によって、医療保険の事務管理費が増加する。 要は、医療を営利目的にやると、儲けようというインセンティブが働くから、

    kodebuya1968
    kodebuya1968 2011/12/31
    「医療を営利目的にやると、儲けようというインセンティブが働くから、却って、総医療費が増えてしまう」TPP推進派は医療自由化でデフレが起きると思っているとしか思えない。
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