TPPへの「交渉参加」に踏み込めなかったことで、日本は参加国から相手にされず、ルールづくりに大きく乗り遅れるのは避けられない。交渉は来年11月の合意に向け着々と進行。米国は、農業問題を抱える日本が入れば、「スピードが遅れる」とあからさまな迷惑顔を見せている。このままでは米国主導で決まった枠組みを「丸のみ」するか、「不参加」という選択を迫られる恐れがある。 【フォト】「有言実行内閣」どこへ TPP「参加を目指す」表記さえ見送り 「(菅直人首相の所信表明の)『参加検討』からほとんど前進していない。これではお話にならない」 経済産業省幹部は、失望感を隠さない。 原則としてすべての関税撤廃を目指すTPPは、2国間の経済連携協定(EPA)のように、コメなどの特定分野を例外扱いにした形での交渉参加は認められない。しかも参加を表明してもすぐに交渉に入れるわけではなく、参加9カ国とそれぞれ協議し、