福島第1原発周辺で、神社関係者らが、各神社の御神体を避難させるべきか否かを悩んでいる。いずれも長年にわたり、その土地に鎮座し続けてきた大切な信仰対象。「避難せず、地域の留守を預かる存在でありたい」という考えがある一方で、「避難先で祭礼を続けたほうがいい」との声も。宗教としての実体がないと判断されれば、宗教法人格の取り消し対象ともなりかねず、関係者らは気をもんでいる。(赤堀正卓) 第1原発がある福島県双葉町、楢葉町などの神社を管轄する、福島県神社庁双葉支部。20キロ圏内に14の神社、20~30キロ圏内に4の神社がある。支部長をつとめる、楢葉八幡神社の岡田正士宮司は、「御神体を避難させるかどうかは、各神社で氏子役員らと相談して決めることになりそうだが、みな悩んでいる」という。 約千年にわたって応神天皇を祭ってきた岡田宮司の神社は、20~30キロ圏の緊急時避難準備区域にある。約千軒の氏子がいたが