本稿では、古くから、そして現在もTCP/IP環境でのログ収集のために広く利用されているSYSLOGプロトコルの標準化および技術動向について述べる。 SYSLOGはインターネット初期からのロギングのためのデファクト標準となっており、UDPをトランスポートとし、そのシンプルさ、実装と運用の容易さから、純粋な記録以外にも、ウイルス・侵入検知などのセキュリティアラートなどの目的にも広く利用されている。 しかし、実際のところそのプロトコルは十分には文書化されておらず、現在のよりどころはINFORMATIONALとして発行されているRFC 3164, “The BSD syslog Protocol”[1]だけである。これはトランスポートにUDPを用いており、信頼性を保障せず、認証、暗号化などの一般的なセキュリティ対策もないものとなっており、すなわち、 暗号化がないことでシステム情報の盗聴は極めて容易