伝染する過激主義 ノルウェー連続テロ事件の犯人で1度に77人を殺害したブレイビク(左)は反移民で極右思想の持ち主だった Jon-Are Berg-Jacobsen/Aftenposten via Scanpix-REUTERS 米共和党の大統領候補選びで先頭を走るドナルド・トランプが、イスラム教徒のアメリカへの入国禁止を提唱した。またぞろ彼がとっぴな発言をしたものだと無視したい誘惑に駆られる。 だがこういう排外主義のヘイトスピーチは、すぐに正面から向き合わないと本当に危険なものだ。そのことを今、ヨーロッパの人々が思い知らされている。 欧州各国では過去10年間、メディアも政界も、極右の政治勢力の台頭をおおむね変則的な事象のように扱ってきた。所詮は社会の片隅に居続ける不適応者と見なしていたのだ。例えばイギリス国民党(BNP)、オーストリア自由党、ベルギーのフラームス・ベラングなどは、目障りでは