そもそも初めに私が驚かされたのは、安倍氏が通貨政策の公約を本当に実行したことだった。黒田東彦氏を日銀総裁に任命し、彼と共に中央銀行がかつて試みたことのない「リフレーション」という野心的な挑戦に着手している。これが実際にうまくいくかどうかは今後見極めねばならない。リフレ政策が発表されたが、その波及経路としての「期待チャンネル」の実効性はさらに疑問視されており、日本はいまだデフレという苦境にある。しかし、安倍氏は挑戦しているのであり、これが最も重要なことである。 今度は、私が思うに通貨政策よりもずっと重要な問題について、安倍氏は語っている。これについて私はあまり期待していなかったのだが、彼が言っている問題というのは日本経済における女性の地位のことである。 女性がいまだ経済的な下位クラスに置かれている、ということは日本経済と米国経済の本質的な違いの一つだ。日本の労働市場は悪名高い「二層構造」をな