『般若心経秘鍵』に学ぶ ① ~文殊もんじゅの利剣りけんは諸戯しょけを絶たつ~ 文殊菩薩もんじゅぼさつさまは智慧ちえを司つかさどる仏さまで、その智慧の象徴として右手に鋭利えいりな剣を持っておられます。この剣を振ふるって諸戯しょけという無益むえきな議論を絶たつのであります。私たちは真実が分からないにもかかわらず「ああでもない」「こうでもない」という議論を繰くり返す時がありますが、そんな無益むえきな議論を仏さまの智慧によって、正しい道に導くために一刀両断いっとうりょうだんするのが文殊の利剣であります。 大覚寺の御影堂みえどう (心経前殿しんぎょうぜんでん)の正面向って右側には秘鍵大師ひけんだいし像が安置あんちされています。このお姿は、般若心経の真理しんりを明かすお姿であります。このお大師像は同じく右手に剣をお持ちになっておられます。私たちの悩みを救うために文殊の利剣の形として示されて、他の大師像