唐鎌大輔 [みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト] Jul. 15, 2021, 07:50 AM ビジネス 5,042 欧州中央銀行(ECB)が18年ぶりに金融政策戦略の修正を発表(7月8日)したことが話題を呼んでいる。 過去1年半、ECBは「戦略見直し」と銘打ち、新たな時代に即した金融政策運営のあり方を再定義する作業に注力してきた。その成果がついに発表されたわけだ。 論点は多岐にわたるが、決定的に重要な論点は、物価目標の定義が修正されたこと。インフレ目標が引き上げられたと解釈され、メディアなどで多数報じられた。 しかし、本稿で扱いたいのは、戦略見直しに際してもうひとつ注目された論点、気候変動問題だ。 気候変動が物価の安定にもたらす影響について、今後の政策運営で考慮していく姿勢を、ECBは今回の見直しを通じて明確化した。 2019年11月の着任以降(正確にはそれ以前から)、ラガルドE
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