前回は、市町村合併についてお話ししました。北海道や九州、関西の経済界では盛んに道州制について議論が行われていますが、これも都会に住む人たちにとっては、なかなかイメージの湧かないテーマだと思います。 実は、私も、道州制の議論は抽象的なものばかりなのではないかと思っています。 道州制が必要だとされる理由の1つには、合併により県議会議員や公務員の削減が図れるというものがあります。しかし、そのようなことは合併をしなくてもできることです。議員の給料が高いのならば、また、数が多すぎるのなら、今の制度の下でも減らすことができます。 また、「県の枠を超えて広域で対応した方が効率的にできる仕事がある」というのなら、業務提携すればよいだけの話です。前回の市町村合併と同じく、まず、できる限りの効率化をするというステップを踏まずに合併しても、ムダを温存することになりかねません。 道州制の議論はなぜ具体性を欠くのか