福島第1原発事故をきっかけにした電力不足を受けて、就業時間を早める「サマータイム」を導入する企業が増えている。早朝の涼しい時間帯から仕事を始めて、省エネにつなげることが目的。実際の効果は限定的のようだが、通勤ラッシュ緩和や余暇の増加など他のメリットを挙げる企業も多く、今後、定着するか注目される。【寺田剛、竹地広憲】 日本製紙グループ本社広報室の川上知世子さんは毎朝4時半に目覚め、午前6時過ぎに自宅を出る。同社が今月9日から始業時間を1時間早めるサマータイムを導入したためだ。静岡県富士市から東京都千代田区に新幹線で通勤する川上さんは「朝は眠いし、昼食までの時間が長くておなかがすく」と笑う。 だが、終業時間も午後4時15分に早まり、退社後の生活は変わった。午後6時半ごろ自宅の最寄り駅に戻り、スーパーで食材を買う時間の余裕ができた。休日にしか行けなかったクリーニング店にも、閉店前に立ち寄れる