黒田総裁は2月23日の衆院財務金融委員会で、マネタリーベースそのもので直ちに物価、あるいは予想物価上昇率が上がっていくということではない、と述べた。日銀が昨年5月に公表した「量的・質的金融緩和ー2年間の効果の検証」のリポートでも、マネタリーベースには一切触れていない。早川氏は「日銀モデルの中にはマネタリーベースの役割は何もないので、使いようがない」と話す。 日銀は黒田総裁が就任直後の2013年4月、量的・質的金融緩和を導入し、金融市場調節の操作目標をそれまでの無担保コール翌日物金利から、日銀券と日銀当座預金、貨幣からなるマネタリーベースに変更。年間約60-70兆円ペースで増加するよう金融市場調節を行うと発表した。その後、14年10月の追加緩和で年間80兆円ペースに増額した。 為替市場では、日米のマネタリーベース伸び率の比率と円ドル相場の関係を示したソロスチャートの信奉者も多い。早川氏は、こ