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ブックマーク / kihamu.blogspot.com (4)

  • 2014年の政治思想

    年の瀬ですので,一昨年・昨年と同様,政治思想書の収穫を振り返ります.今年も内容に踏み込んだ紹介をする余裕がありませんので,備忘として研究の動向をメモしたものだとご了解ください. なお偶然来訪された初学者の方などのために一言しますが,どういう研究が刊行されているかをきちんと知るには,学会誌の書評欄などにあたるのが確実です.刊行されてから学会誌に書評・紹介が載るまでにはタイムラグがあるものの,政治思想分野の主要な研究は,日政治学会『年報政治学』(「学界展望」では論文も紹介),日政治思想学会『政治思想研究』,社会思想史学会『社会思想史研究』の書評欄を眺めれば知ることができます.また,法学に関係する研究であれば『法律時報』毎年12月号の学界回顧で採り上げられることがありますし,人文・思想書は月曜社のブログで詳しく紹介されています.東京財団の政治外交検証プロジェクトは,政治外交史・国際関係を中心

    2014年の政治思想
  • 2013年の政治思想

    大仰なタイトルに見えますが,昨年の試みを継続して,政治思想史・政治理論分野での収穫を簡単に振り返ってみるというだけのことです.内容に踏み込んだコメントを付す力量はありませんので,あくまで表層的なまとめに徹します. さて,昨年同様に教科書・概説書から入るなら,まずは宇野重規『西洋政治思想史』有斐閣(有斐閣アルマ Basic)の刊行が目を引きます.西洋政治思想の通史としては川出/山岡『西洋政治思想史』が昨年出たばかりですが,単著の通史はしばらく現れていませんでした.やはり昨年に川崎/杉田 (編) 『現代政治理論』新版が出ていますので,これでテキストはかなり充実を見たはずです(残るは日/東洋政治思想史でしょうか).なお,同著者による宇野重規『民主主義のつくり方』筑摩書房(筑摩選書 76)は,現代民主主義の可能性をプラグマティズムに見出そうとする卓抜なエッセイです. 刊行中の古賀敬太 (編) 『

  • 御礼: 田中 [2012]ほか

  • 選挙は何も決められない

    小林良彰は,著書『政権交代――民主党政権とは何であったのか』(中央公論新社,2012年)のなかで次のように述べる(156-157頁). ここで日政治の仕組みを振り返ってみると、われわれは「選挙の際に候補者が提示した公約のなかで、有権者が自分の考えに近いものを選び、投票を決定する」ことで「自分たちのことを自分たちで決定する」代議制民主主義が機能すると想定している。こうした代議制民主主義が機能しているのであれば、政治家の行動の一端は、彼らを選んだ有権者の責に帰することになり、機能していないのであれば政治家の責を問わなくてはならない。 そこから小林は,この機能を検証するためとして,2009年衆院選を対象に次の3つの分析を行う(157頁以下). (1)民意負託機能の検証(争点態度投票の有無): 「有権者が候補者の提示した公約のなかで最も自分の考えに近いものを選択し、そうした公約を提示する候補者

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