10月半ばに鉱業コングロマリット(複合企業)のBHPビリトンが、ユナイテッド・ミネラルズ――オーストラリアのピルバラ地区にあるBHPの鉄鉱石鉱山付近で事業を展開する有望企業――に提示した買収提案には、ある注目すべき付帯条件が含まれていた。 ユナイテッドは、同社株の11%を中国国営企業の中国鉄道物資に売却する計画を放棄しなければならない、というものだ。 もしユナイテッドの株主が同社経営陣が推薦した通りに、BHPが提示する2億400万豪ドル(1億8700万米ドル)の申し出を受諾すれば、鉄鉱石市場で影響力を強めようとする中国政府の熱心な作戦――ただし、これまで概して成果を上げていない取り組み――がまた1つ失敗に終わることになる。 西側の巨大鉱業企業が扱う鉱物、中でも特に鉄鉱石は、中国を大きく変化させる莫大なインフラ計画にとって必要不可欠な材料である。中国政府はこの依存状態に神経を尖らせており、特