横浜市の市立保育園民営化で保育環境が悪化したとして、園児と保護者らが市を相手に民営化の取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は26日、2審の判断を覆し、民営化条例制定は行政訴訟の対象になるとの初判断を示した。一方で、全員が卒園したため訴えの利益がないとして、原告側の上告を棄却した。保護者側の敗訴が確定した。 条例制定が行政訴訟の対象となる「処分」になりうるかどうか(処分性)は学説も分かれ、最高裁が処分性を認めるケースは初めて。今後は同様の問題で、差し止めを求める提訴や執行停止の申し立てが可能になる。 横浜市は03年12月、4保育園を民営化する条例改正案を提出し、市議会で可決され、04年4月から実施した。1審・横浜地裁は06年5月、取り消し請求は退けたが「早急な民営化は違法」として1世帯あたり10万円(計280万円)の賠償を命じた。2審・東京高裁は今年1月、「