東京駅のホームで、電車を待っていたら、コーセーの新製品エスプリーク・プレシャスの広告をボディにまとった山の手線が入ってきた。ジェマ・ワード(Gema Ward)をイメージモデルに起用した、その広告コピーに目がとまった。 「おとな。but カワイイ。」 オトナっぽさとカワイイ感覚が共存した、新しいメイキャップ方法を提案している。小学生の頃からキティグッズに囲まれて育ってきたイチゴ世代が、コギャルと呼ばれた時代を経て、いまや30代の「オトナの女性」になろうとしている。1970年代後半に生まれたこの世代は、「下流社会」で今年の話題をさらった三浦展氏の定義によれば「真性団塊ジュニア世代」に相当する。この世代は、ルーズソックスや茶髪を流行らせ、たまごっち、プリクラなどの流行の震源地となった。 彼女たちにとって、「カワイイ」という言葉は、神話作用をもった呪文のようなものだ。言霊(ことだま)を操る巫女の