2012年の夏、最も注目されたビールといえば、キリンビールが発売した「一番搾り フローズン〈生〉」だろう。ソフトクリームを想像させるシャリシャリの泡を“食べて”、「これがビールの泡?」と驚いた人も多いのではないだろうか。 若者のビール離れが叫ばれる中、SNS上でも注目された「フローズン〈生〉」はどのようにして開発されたのだろうか。またヒットの要因などを、マーケティング部の門田邦彦さんに話を聞いた。 開発の背景 ――フローズン〈生〉が開発された背景を教えていただけますでしょうか? 門田:ビール市場は1995年をピークに減少傾向にあります。20~30代のライフスタイルに溶け込むようなビールを、私たちは開発できていなかったのでしょう。チューハイやハイボールなどの新商品がたくさん出てきましたが、ビールはその中のひとつになってしまいました。昔のように「とりあえずビール」という人が減ってきている中で、