住民説明会で施設誘致の見通しや今後の手続きについて質問する住民ら(京都市南区東九条、市地域・多文化交流ネットワークセンター) 京都市が南区東九条で建物の容積率を緩和し、文化・芸術施設を誘致する方針に対しては、住民から不安の声が上がっている。背景には1980年代後半のバブル景気時に横行した地上げへの抵抗感や、多数の市有地を長年抱えながら、急速な高齢化や人口減少に有効な手だてを打てなかった市への不信感がある。 9月4日夜、東九条の市地域・多文化交流ネットワークセンターで開かれた住民説明会。住民ら約80人が参加し、約10人が質問に立った。ある男性は「容積率が緩和されれば不動産会社がこぞって買い付けに来るのでは。地価が上がれば住民が追い出され、地域コミュニティーが崩壊しかねない」と訴えた。女性は「地域に商店がなく、日常の買い物でさえコンビニを利用せざるを得ない。スーパーをつくってほしい」と切実な声