撮影:堀清英 あの!ぶっ飛んだ芸風でおなじみの鳥居みゆきさんが、このたび2冊目の著書『余った傘はありません』を上梓した。ご存じない方のために説明すると、鳥居さんは“ちゃんと自分で”書いており、そのダークで理不尽な世界観には、結構ファンも多いのだ。 「でも“鳥居ワールド”とかくくられると『(評価することから)逃げるな!』って言いたくなります。1作目のときは情熱だけのマスターベーションだったんですが、本屋でなぜか思想哲学コーナーに置いてあって。だから今回は読ませる感じの、見せてもいいペッティングみたいな感じです。隠れんぼがテーマなんです、ええ」 ショートショートの体裁を取っており、それらは読者を突き落とすようなカタストロフィの連続である。だがすべてに支流のような伏線が隠され、濁流と化した終盤には息をのむ結末が待つ。 「でもホントは長編が書きたかったんだ。幻冬舎の『星星峡』っていう本に連載