私の大きな悩みのひとつは、買いものが下手なことです。もしも買いものが上手だったら、人生に関する悩みの半分以上は消えてなくなるも同然だとすら思います。「シンプルな暮らし」「ものの少ない暮らし」に憧れているのに、その「シンプルな暮らし」を実現するために本を買い、そこに載っているような素敵なインテリアグッズや麻のシーツを買い込み、結局すでに持っている家具と合わずにちぐはぐな生活をしている私のような買いもの下手は、部屋だけでなく服もそんな感じです。目についた素敵なものを手当たり次第に手に入れ、でも本当に憧れているものすごく美しく高価なものに対してはなんだか腰が引けてお店にすら入れない。そして、うまく活かすことのできない戦利品を眺めては、また無駄遣いをしてしまった、という罪悪感に苛まれるのです。 自由にできるお金が、今よりもずっとずっと少なかった学生時代、私は「お金があれば、もっとお洒落になれるのに