芹沢一也(せりざわ・かずや) 1968年東京生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程を修了。研究分野は大正期を中心とする近代日本思想史。著書に『〈法〉から解放される権力』(新曜社)、『狂気と犯罪』(講談社+α新書)など。知る人ぞ知るイケメン学者でもある。 公式サイト 記念すべき連載第1回は、呉智英や宮崎哲弥といった学問通を唸らせた『狂気と犯罪』の著者、芹沢一也氏。刑法39条の話を皮切りに、日本における「狂気」の歴史と思想、自身の学問の方法論までを語ってもらいました。 ――無知でお恥ずかしいんですが、芹沢さんの『犯罪と狂気』を読んではじめて日本が精神病院大国だということを知りました。 芹沢 じつは意外に知られていないんですよ。かなりの識者であっても、日本が世界最多の精神障害者の入院患者をもつ国であることを知らなかったりします。人によっては、アウシュビッツと旧ソ連の強制収容所と日