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ブックマーク / movie.maeda-y.com (6)

  • 超映画批評『それでもボクはやってない』98点(100点満点中)

    『それでもボクはやってない』98点(100点満点中) 2007年/日/カラー/2時間33分/配給:東宝 すべての男が見るべき大傑作 2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。 主人公のさえないフリーター(加瀬亮)は、満員電車から降りたとたん女子中学生に手首をつかまれた。駅員室に連れて行かれた彼は、覚えのない痴漢を頑強に否定。すると警察がやってきて留置され、そのまま裁判を闘うことになるのだった。 この映画の上映時間は147分。一見長大に思えるが体感時間はその半分程度、

  • 超映画批評『パプリカ』75点(100点満点中)

    『パプリカ』75点(100点満点中) 高いアニメーション技術と演出力、声優による、世界レベルのジャパニメーション 今敏(こんさとし)監督と、アニメ制作会社のマッドハウスは、これまで数々の良質な大人向けアニメーションを発表してきた。ホームレスたちの感動ドラマ『東京ゴッドファーザーズ』(2003)、アイドル界を舞台にした異色のサイコホラー『PERFECT BLUE』(1998)、そして衝撃のラストで観客を突き放す『千年女優』(2001)と、ひとつも外れがない傑作ばかり。そんなわけで私が、日の劇場用アニメ監督の中でもっとも打率が高いと考えているのがこの監督だ。 そんな彼の最新作は、映像化は困難といわれつづけてきた筒井康隆の同名小説をアニメ化した『パプリカ』。これもまた、期待を裏切らないハイレベルな作品であった。 患者の見ている夢を映像化し、潜入できる画期的な機器"DCミニ"。精神医療研究所の研

  • 超映画批評『ゲド戦記』35点(100点満点中)

    『ゲド戦記』35点(100点満点中) これまでのジブリの短所を引き継ぎ、かつ長所を捨てた 『ゲド戦記』は、『指輪物語』『ナルニア国ものがたり』に並ぶ、世界三大ファンタジーの一つとされる。原作者がかたくなに映像化を拒みつづけ、かつては、あの宮崎駿でさえ断られたというこの作品を、息子の宮崎吾朗は自身の初監督作に選んだ。アニメーション制作は、もちろんスタジオジブリ。興収100億円を狙う、2006年夏シーズンの大命の登場だ。 人間の生活圏に現れるはずの無い龍が、立て続けに侵入する異常事態が発生。世界の均衡が崩れつつあると予感した偉大なる魔法使い=大賢人のゲド(声:菅原文太)は、原因を探る旅に出る。やがてゲドは、父親を刺して逃亡中の王子アレン(声:岡田准一)と出会う。アレンが生きる気力を失っており、放置できない事に気づいたゲドは、彼を連れ、知り合いのテナーの家に身を寄せる。そこにはアレンと同年代の

  • 超映画批評『ゆれる』80点(100点満点中)

    『ゆれる』80点(100点満点中) 男同士の兄弟の内面を鋭くえぐる、スリリングなドラマ 映画業界にとって、一番の稼ぎ時である夏休みシーズン。内外の大作が居並ぶ中で、地味なドラマ映画ながら、屈指の傑作なのが『ゆれる』だ。まるで、ぽつんと紛れ込んだようなこの作品は、とくに派手な大作映画を敬遠するタイプの方には、真っ先に見てほしい一だ。 女にモテ、カメラマンとしても成功し、東京で派手に暮らす弟(オダギリジョー)。家業のちっぽけなガソリンスタンドを継ぎ、女に縁がなく、老いた父と二人で暮らすさえない兄(香川照之)。この二人が久しぶりの法事に、故郷で再会するところから物語は始まる。 弟は、兄が面倒な実家のもろもろを背負い込んでくれたから、東京で好きなことをやっていられるのだと薄々気づいていながら、何でも許してくれる優しく面倒見のよい兄に、無意識に甘えている状態だ。この日もあろう事か、兄が思いを寄せて

  • 超映画批評『M:i:III』75点(100点満点中)

    『M:i:III』75点(100点満点中) 1と2の中間あたりを狙った、安定感ある大作 いまや、トム・クルーズの代名詞的シリーズとなった、ミッションインポッシブルの第3弾がこれ。監督やトム様の相手役の人選を巡って二転三転、完成は遅れに遅れ、ようやく公開である。 今回、トム・クルーズ演じるスパイ、イーサン・ハントは諜報員を引退し、スパイ教育係となっている。一般人の女性と婚約もすみ、あとは悠々自適だと思っていた矢先、招集がかかる。教え子のスパイが捕らえられ、その救出作戦にあたってくれというのだ。 さて、このパート3は、ジョン・ウー監督のお気楽アクション=M:i-2 の反省を踏まえてか、オリジナルのテレビ版の魅力であった、「スパイ仲間のチームプレイ」要素をやや濃くさせたものになっている。大雑把な印象としては、パート1とパート2を足して2で割った、という感じだ。 莫大な予算を投じた映画だから、アク

    monolith
    monolith 2006/07/05
    「間違っても、「まるでトムクルーズのプロモーションビデオみたいだ」などと、的外れな批判をしてはならない。それはリンゴを食べて、「なんだこれ、リンゴじゃないか」と怒っているのと同じことだ。」
  • 超映画批評『電車男』75点(100点満点中)

    『電車男』75点(100点満点中) インチキな偽善的純愛モノよりずっといい 初恋の悩みを2ちゃんねる相談した、あるオタクの実話(掲示板の書き込みなので信憑性は100%ではなかろうが)を映画化したもの。 主人公は22歳の同人オタク(山田孝之)。彼は今日もアキバ(秋葉原)のフィギュアショップなどを覗いた後、私鉄で帰路につこうとしていた。そのとき目の前で中谷美紀似のお嬢様(中谷美紀)が酔っ払いに絡まれ、彼は思いもかけず彼女を助けてしまう。後日お礼にエルメスのティーセットが届いたことから、彼は自分の高まる恋心を匿名掲示板2ちゃんねる」に相談するのだった。 さて、普段は罵詈雑言の嵐を浴びせる2ちゃんねるの名無しさんたちであるが、あまりに切実かつ純情な主人公の様子に、やがてマジレスが飛び交うようになる。ハンドルネーム「電車男」を名乗る主人公は、そんな彼らからのアドバイスを元に、助けた彼女(エルメス

    monolith
    monolith 2005/06/06
    他でも評判いいらしいので,見てみようかな.
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