「ITとネットワークの融合を実行できる体制にすること」。NECの矢野薫代表取締役執行役員社長は,2006年4月1日付で実施した同社の組織再編の狙いを端的に説明する。事業部間の壁を越えた大改革のキーワードは,まだ誰もその全体像を見たことのない次世代ネットワーク「NGN」(next generation network)だ。 ここ数年,NECの業績は低迷している。2005年度も売り上げこそ前年度をわずかに上回ったものの,純利益は前年度比84.3%減の121億円。大幅減益だ。 この状況から浮上し,NECを上昇気流に乗せる切り札として矢野社長が期待するのがNGN。だが,NGN自体はいまだ発展途上の段階にある。NECが組織体制を大刷新してまでNGNに傾斜する意図はどこにあるのか。 「キャリア」から「一般企業」へビジネス拡大 そもそもNGNとは一体何か。その基本概念は,ITU-T*1(国際電気通信連合
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