地方交通再生の手段として話題に上ることが多い第三セクター方式と上下分離方式。この2つの手法を約半世紀前に取り入れた鉄道が100万人都市に存在する。神戸市を走る神戸高速鉄道だ。 ただしこの神戸高速鉄道、経営形態や運行形態は二転三転しており、本来の路線以外の線区や駅も管理していることをご存じだろうか。来年の開通50周年を前に、もう一度この個性的な鉄道をチェックするとともに、今後の展望を考察してみた。 4つのターミナルを結ぶ路線 神戸市内には第2次世界大戦前から4つの電鉄が乗り入れていた。しかし、阪急電鉄(当時は阪神急行電鉄)神戸線が三宮、阪神電気鉄道本線が元町、山陽電気鉄道本線が兵庫、神戸電鉄(神鉄、当時は神戸有馬電気鉄道)有馬線が湊川と、それぞれに別のターミナルを持っており、神戸市電によって連絡はしていたものの、高速鉄道によって結ぼうという議論が出はじめていた。 このうち、阪神は元町から湊川