えっ、お金がない? 第1のギャップは、そこにあったという。レアル・マドリー(スペイン)の正社員として働いていた酒井浩之氏の言葉だ。 「もちろん、売り上げは大きいですが、出て行く額も大きい。だから、キャッシュフロー(収入から支出を差し引いて手元に残る資金の流れ)はごくわずかなんです」 要するに、世間一般でイメージされているような金満クラブではない、と。確かに、マドリーには莫大な損失を出した場合、それを補填しうる大企業や大富豪が存在しない。そもそもクラブのオーナーはソシオと呼ばれる約9万人のクラブ会員だ。 下手を打てば、大変な負債を抱え込んでしまう。サッカー界随一のブランド力を持つとはいえ、その上にあぐらをかいては経営破綻へ一直線。そんなシビアな環境にある、というのが、酒井氏の実感らしい。 酒井氏は2015年3月、日本人としては初めて、レアル・マドリー大学院のスポーツマネジメントMBAコースに
![レアルの日本人社員だった男。酒井浩之「実は言うほどお金がない」(北條聡)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/050502de134d0913fb7c2f0ff0000466639be6cc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2F7%2F-%2Fimg_f76339e2e96359bf1e0ac6e4933502ff150888.jpg)