勘違いしている人を見かけたが、私は進化心理学の全体を批判していない、進化心理学と言っても、モジュール論的な正統派の進化心理学話もあれば、(社会生物学の影響を受けて)ネオ・ダーウィズムを取り入れた進化心理学話もある一方で、(進化上の適応的説明を持ち出す)ナゼナゼ話に陥る俗流な進化心理学話もあって、この全てが進化心理学として一括されているところがある。以上の分類は互いに重なる部分もあって分離できないこともあるが、大局的には便利な区分だ。私自身は、モジュール論こそが正統な進化心理学であり、ネオ・ダーウィズムの導入は実証成果とセットの時にこそ受け入れ可能であり、(進化上の適応的説明をでっち上げる)根拠のないナゼナゼ話にはまる俗流進化心理学は科学的には言語道断である、と思っている。 もちろんこれ以外にも進化論の心理学や認知科学への導入法はいろいろあるのだが、進化心理学の定義をこれ以上混乱させないため