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2024年7月3日 (水) イランで、先月28日、大統領選挙の投票が行われ、欧米との対話を重視する改革派のペゼシュキアン候補と、欧米との対決姿勢を鮮明にしている保守強硬派のジャリリ候補による決選投票が5日、今週金曜日に行われることになりました。どちらが当選するかは、イラン核合意の行方も左右するものとして、注目されます。 中東情勢担当の出川展恒解説委員とお伝えします。 Q1: イランと言えば、大統領ではなく、最高指導者が、すべてを決める国と思われますが、今回の選挙が注目されているのはなぜですか A1: 確かに、イスラム共和制のイランでは、大統領は、絶大な権限を握る最高指導者に次ぐ...記事を見る 6月19日(水) 6月20日は「世界難民の日」です。 世界では迫害や紛争から逃れ、国際的な保護を求めている人は1億2000万人を超えました。難民たちをいかに救うか、日本をはじめ国際社会全体の喫緊の課
9月25日はイラン人にとってはもちろん、国際政治に関心のあるすべての人にとって、とても大切な日になりました。イランのロウハニ新大統領が国連で、国際世界に向け、国の新しい方針について演説したからです。 「オバマ大統領の演説を注意深く聞いた。米政府がリーダーシップを発揮する政治的意思を持ち、戦争を挑発する勢力に追随することがなければ、我々は見解の相違点に対処する枠組みを構築することができる。この目的を達成するためには、対等な立場、相互の尊重、国際法の原則が重視されるべきだ。もちろん、米国の主張が一貫していることを期待する」とロウハニ大統領は語りました。 演説が終わったとたん、多くの人は頭を抱え、新大統領の言わんとしたことを推し量ろうとしました。ロウハニ大統領は恐らく、世界が聞きたいことより、イラン政府が言いたいことを語りました。 そう。イランは古代ペルシア帝国の歴史を誇らしく思っています。イラ
混迷のシリアに向けて米国軍を含んだ西側諸国の軍事介入があるのか、すわっ戦争か、ということでシリア情勢が一気に話題になってきているかにも見えるが、現状では、れいによって米国オバマ大統領お得意の修辞という以上の意味合いを見つけるのも難しく、その意味で、化学兵器使用と想定される目立った事象があったものの、具体的なシリア情勢に大局的な変化はなく、現状はどのように評価していいか、アイロニカルな思いになる。 オバマ米大統領らしい修辞がさすがに目立つのは、即座に軍事行動を取るかに見えつつ、具体的な動向は、9日以降の米議会の承認を求めてから、としたことだ(あたかも変心のように演出されている)。 米国の軍事活動は大統領の権限なので彼自身が独自に判断できる。戦争権限法に従った場合でも、60日後に議会承認を得て、さらに予算の承認を得るというのが通常のプロセスである。なのになぜオバマ大統領が今回このような議会優先
イスラエルで、今後の中東情勢を大きく左右する可能性のある、 議会選挙が、22日行われました。 右派のネタニヤフ首相が率いる会派が、最も多くの議席を獲得し、 引き続き、政権を握る見通しとなりました。 ネタニヤフ首相は、勝利宣言し、 「イランが核兵器を獲得するのを阻止するのが、新政権の第一の課題だ」 と国民に訴えました。 今夜は、イスラエルの選挙結果が今後の中東情勢に与える影響を考えます。 以前と比べ、「イスラエル社会の右傾化」が進んだ印象を強く抱きました。 イスラエル社会は、出身地、思想、宗教心、収入などによって多様化が進み、 とても自己主張の強い国民性です。 「イスラエル人が2人いれば、政党が3つできる」というジョークもあるほど 多くの政党が乱立し、議会の定数120に対し、 実に32の政党や会派が参加する選挙となりした。 ●最も多くの議席を獲得したのは、 ネタニヤ
18日のことだが、ブルガリアの東部のブルガスの空港でイスラエル人観光客を乗せたバスが爆発し、当初6人が死亡すると報道された事件があった。その後、死亡者は7人となった。イスラエル人が国外で犠牲になった事件としては2004年以降最悪のものでもあった。 日本でもこの事件は報道はされた。AFP「ブルガリアの空港でバス爆発、6人死亡 イスラエル人を狙った攻撃か」(参照)がそれなりに詳しい。 バスにはブルガリア国内の黒海(Black Sea)沿岸にあるリゾート地に向かう観光客らが乗っていた。ブルガリア内務省当局によれば18日午後5時(日本時間同11時)ごろ、空港に降り立ったイスラエル人観光客らを乗せたバスが爆発し、付近のバス2台も炎上した。首都ソフィア(Sofia)にいる内務省職員は爆発による死者は6人、負傷者は32人だと述べた。 目撃者によるとパニックを起こした乗客らがバスの窓から飛び降り、地面には
イランを巡る不明瞭な状況を解き明かすことは難しいが、日本ではあまり見かけない話題もあり、簡単にだがそろそろ触れておいたほうがよさそうに思えてきた。話題のきっかけは1月11日の、イラン科学者モスタファ・アフマディロシャン(Mostafa Ahmadi Roshan)氏の暗殺である。 翌日のAFP「イラン核科学者が爆弾攻撃で死亡、政府「イスラエルと米国の仕業」」(参照)より。 イランのファルス(Fars)通信などによると、首都テヘラン(Tehran)で11日、自動車爆弾攻撃があり、核科学者のモスタファ・アフマディロシャン(Mostafa Ahmadi Roshan)氏(32)が死亡した。 テヘラン東部にある大学の前で、同氏が乗る車にバイクの2人組が近づき、車にマグネット式の爆弾を仕掛けて爆発させたという。この攻撃でアフマディロシャン氏と車を運転していたボディーガードが死亡、1人が負傷した。 イ
エジプトの暴動を反米のスジで読みたい人がいても別段かまわないが、あまりに予想通りの筋書きを目にすると萎えてくるものだ。背景を少し補足しておいたほうがよいのかもしれない。 今回のエジプトの暴動は時系列的にはチュニジアの暴動の飛び火と見るしかないが、エジプトでいずれ問題が起きることは予見されていた。問題はすでに昨年の時点にあったからだ。 この手の問題に敏感なワシントンポストは昨年11月5日の社説「Egypt's Mr. Mubarak moves to lawless repression」(参照)でエジプトの問題をこう描写していた。 Now, with a parliamentary election approaching, the regime's political repression has grown more rather than less severe. Hundreds
「アホでマヌケ」と言われた米国ブッシュ元大統領の外交に比べて、オバマ大統領の外交は「賢い」と言われる。そのやり方はこうだ。人立たせ、「進め」の青い旗を右手に持たせ、「止まれ」の赤い旗を左手に持たせて、こう呼びかける、「はい、青上げて、赤上げぇ……ないで、青下げる」 ちゃんとわかったかな。 とりあえず話の発端は、5日米国オバマ大統領を支えるバイデン副大統領によるABCニュースでの発言に世界がぶったまげた(参照)。話題はイスラエルによるイランの空爆だ。 BIDEN: Look, Israel can determine for itself -- it's a sovereign nation -- what's in their interest and what they decide to do relative to Iran and anyone else. バイデン:いいですか、イ
オバマ政権下で初の米ロ外相会談が先週末行われ、大手紙社説では朝日、産経、日経が扱っていた。社説批判ということではないが各紙の論点に疑問に思っているなか、今朝のNHKおはようコラムで、ロシア正教を信じるロシア人なら誰でも親近感を持ちそうな風貌の石川解説委員の話があり、まあ、そっちだよねと思った。それと、今後の世界情勢を見るうえで重要かなと思うことがあるので、ざっとメモ書き。 ざっと各紙社説をなめておく。朝日新聞社説「米ロ関係―核軍縮へリセットを」(参照)では核兵器削減に視点をおいて第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継から核拡散防止条約(NPT)からみに焦点を当てていた。朝日新聞にありがち。 いまだに両国は、合わせて9千発以上の核弾頭を保有しているという。何のためにこれほどの核兵器が必要なのか。キッシンジャー元国務長官やペリー元国防長官らも「核のない世界」は可能だと論じているのだ。 オ
先日「極東ブログ: 原油高騰の雑談、2008年前半版」(参照)でざっと原油高騰まわりの雑感を書いた。そのおり、ちょっとさすがにこの話は控えておこうかなと思って控えたのだが、今週の日本版ニューズウィークのホルヘ・カスタニャダ(Jorge Castan~eda)のコラム「原油高騰とイラン攻撃の幻影」というコラムに出てきた。例によって原文”The War Premium On Oil”(参照)は無料で読める。 結論から言うと修辞を除けばどってことない話なのだが、ニューズウィーク所属のコラムニストが出してきたのかというのと、この手の話の出所がいつもならお馴染みのあたりではないところから出てきているようなので、ちょっと首を傾げていた。印象でいうと、そのスジではまさかオバマが出てくるとは思っていなかったのかな。 そんな背景で、与太話といえばそうだけど、このあたりは目下の常識となりつつある与太話だし、日
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