エドワード・ハレット・カーは1892年ロンドン生まれのイギリスの外交官、歴史学者、政治学者である。特にロシア革命の研究で有名な人物で、1948年には国連「世界人権宣言」起草委員長を務めた。 この『歴史とは何か』は1961年、ケンブリッジ大学における歴史学に関する連続講演をまとめたものだ。1回ごとの講演内容が1章としてまとめられている。岩波新書版の目次を引用すれば、以下のとおりである。 歴史家と事実 社会と個人 歴史と科学と道徳 歴史における因果関係 進歩としての歴史 広がる地平線 この本については「歴史とはどういう学問なのか」ということを考える人にとっての必読書ともなっているようで、ネット上でも読書記録がいくつか見つかる。 北海道大学経済学部高井ゼミ(西洋経済史)小論文ワークショップでのまとめ 元木桃子さんのまとめ 渋田麻衣子さんのまとめ カー「歴史とは何か」(塩川伸明『"20世紀史"を考
フェミニズムというのに関心を失って久しい。単に関心がなくなったというか、フェミニズムと限らず「現代思想」もそうなんだろうし、他歴史問題という問題もそうなのかもしれないけど、議論のフレームワークがよくわからなくなっている。奇妙な印象を受けるのはそれでもそのフレームワークは「知」的に構成されていて、それなりに外国の議論などが前提になっているっぽいし、それなりに学際的な学術領域においてフレームワークはあるのかもしれないのだけど(翻訳文化という印象はあるけど)、けど、というのは、普通に欧米圏のインテリの日常というか世相の議論を見ていると、出てこない、そして欧米圏のインテリってけっこう洒落もあるけどマジな人が多いという印象はある(とくに同性愛問題)。なのでそうしたレベルを見ていると、まあ、現下の世界認識において、日本のそうした知のフレームワークはそれほど重要でもないのかなという印象はある。 で、と。
⇒「人権」っていつから信仰の対象になったんだっけ? - 想像力はベッドルームと路上から ⇒本当の本当に大切なことには、理由があってはいけない - 過ぎ去ろうとしない過去 自明云々は措き、理論的には人権概念は脱構築できない。カントなので。で、哲学理論の外部において事実性として「脱構築」されかねないことに対する危機感が、「脱構築」しうるものと「私は」「貴方は」認めるか認めないか、という「主体的な」問いとその分岐へとスライドしてしまうものか。むろん、サルトルにおいてはそれは正しいけれど。 「脱構築」しうるものと認めることそれ自体が人権概念に鑑みて後退であり時に体制順応主義を帰結する、というのはゼロアカは知らんがその通りだけれど、人権は超越論的な定言命令であるからして脱構築しうるものでない、というのが理論的な応答として限定されることも確か。ゆえに「財源が無いなんて言ってられない」のはその通りで、そ
先日のエントリには部熊やらTBをたくさん頂いたので、もうちょい書き足しておきますが。 まず、最初に、フェミニズムってのは、女性を必ずしも幸福にはしません。というか、社会的に今現在容認されている「女の幸せ」を徹底的に攻撃する思想なんで、そっちの幸せが欲しい人であれば、知らないほうが幸せな思想でもあります。 ヴォ-ボワールは、女性でサルトルという偉大な恋人がいましたが、彼とは結婚しませんでしたし、子供も作りませでした。 彼女自身、自分が幸福になるために、結婚したり、子供を作る必要ないと考えていました。そして、彼女の主張の大きな部分として「女性は結婚する義務もなければ子供を作る義務もない」というのがあります。 それから、しばしば彼女が主張したことですが、現状の結婚や恋愛は女性にとって危険であるという事、それから子供も又、同じような危険性を持っているという点です。 フェミニストの中には、結婚制度を
意識の問題と存在の問題の違いのわからない人は多い。つまり、その人がどのような思想を持っているかということと、その人が社会構造のどこに嵌め込まれて存在しているか、ということの違いについてだ。 いくら意識を改革しようが知識を得ようが、存在に変化がなければ社会構造は変わらない。そして、社会構造が各種の権力を生み出していくのであり、人の存在、つまり社会的存在は常にその権力の機構の一部になっている。意識的に、思想的に否定しようがしまいが。そして意識も思想もそれらの権力の仕組みとは原理的に断絶している。 あるいはこう考えてもいいかもしれない。主体と想定している個人の意識と、その社会構造の機能としての意識の差異がどこにあるのか。個人がどのような思想を選択しようが個人の趣味に近い。だが、社会機能として存在しているとき、社会システムのなかで各種の権力を構成していく。その社会にもし差別や不当な権力が存在すれば
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