このブログで批判した「国家戦略室」のレポート「フロンティア分科会報告書(案)」で私が驚いたのは、少子化問題と闘う姿勢の欠如です。その一方で「女性の雇用による経済成長」は強く押し出しているので、このままでは家庭生活を軽視した企業の人事制度が放置されたままで、女性の社会進出だけが進行する、その結果として少子化が更に深刻化する危険があるように思います。 企業の人事制度が家庭や育児に悪影響を与えている、その最たるものは単身赴任制度でしょう。欧米でも中国圏でも見られないこの「反家庭、反育児」カルチャーの象徴というべき制度ですが、まず1980年代に本格化した「クラシック」な方を整理しておくことにします。 この「クラシック」な単身赴任というのは、フルタイムで管理職もしくは管理職候補の男性が、専業主婦の妻と子供を残して一定期間だけ単身赴任するというものです。70年代までは転勤族といって、必ず家族を連れて赴