「アジャイルだからスコープは決まりません。できるところまで一所懸命作ります」。アジャイル草創期には、何度も耳にした言葉だ。さすがに今は、こうした提案に予算を付けてくれる企業や組織はない。明確な根拠に基づく予算の算出が求められる。 ところが、アジャイルプロジェクトでの予算取りは想像以上に難しい。もちろん、教科書的な算出方法はある。簡単に手順を示すと、まずはストーリー(機能シナリオ)を定義してバックログ(取りかかる予定の仕事)に積む。続いて、個々のストーリーの工数を見積もる。見積もった工数を積算して、積算工数をチームの1カ月の生産力で割る。これで、すべてのストーリーの実現に必要な期間が出る。チーム全員分の人件費と期間を掛け合わせ、予算を算出する。 五つの前提がそろわないと成り立たない この見積もりロジックを正しく実行するには、次の五つの前提がそろっている必要がある。(1)採用技術とアーキテクチ
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