定期航空便のない小笠原地域は、本土では想像できないような交通格差がいまだ解消されていません。これまでの航空路開設に向けた経緯を振り返りつつ、「オスプレイ」技術が応用された民間ティルトローター機導入の可能性を探ります。 同じ東京都なれど…あまりに遠い小笠原諸島への交通の現状 2020年7月31日(金)、東京都庁で「小笠原航空路協議会」が開催され、その席で東京都から、イタリアのレオナルドが開発を進めている垂直離着陸が可能なティルトローター機「AW609」の導入を検討する案が提示されました。 拡大画像 小笠原航空路開設協議会で東京都から導入検討案が提示されたAW609(画像:レオナルド)。 小笠原航空路協議会は、東京都、国土交通省、小笠原村が、小笠原諸島に航空路を開設するための手順や実施体制、手法を検討するために、2008(平成20)年に設立されました。 小笠原村は父島、母島など30あまりの島々