日銀の黒田総裁は再任されることになったが、異次元緩和の出口戦略は未だ示していない(写真:ロイター/アフロ) 2月16日、黒田東彦日銀総裁を再任させる人事案が国会に提出された。 失業率は3%を割り、有効求人倍率も12月は1.59倍まで上昇している。景気拡大も、1965年11月から70年7月まで57カ月間続いた「いざなぎ景気」を超えた。安倍首相はこういった現状を踏まえ、黒田総裁について「手腕を信頼している」と繰り返し述べた。 しかし、大きな問題がある。安倍首相は、2013年春からアベノミクス「3本の矢」、つまり大胆な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略を打ち出しているが、財政が悪化の一途をたどっているということだ。 中でも目玉は金融緩和だった。日銀は2013年4月に「異次元緩和」をスタートさせた。「物価目標2%」を掲げ、デフレ脱却に舵を切ったのである。 ところが、その目標はいまだに達成できてい