「再犯の要因を把握し、実情に応じて対策を講じることが肝要」−。13日公表された「犯罪白書」では窃盗、覚醒(かくせい)剤事犯者の実態調査などから各種再犯抑止要因を分析した。保護観察対象者の聞き取り調査から再犯抑止・更生のきっかけはさまざまだが、出所後の「就労」と周囲の「人間関係」が更生の鍵を握るといえそうだ。 たとえば、50歳代の女性は《夫が勤労意欲を失い、生活が困窮。知人宅から通帳を盗むなどし、執行猶予判決を受けたが、困窮が続き》再犯で実刑に。だが、その受刑中にヘルパーの資格取得やパソコンの講習を受け、「出所後の就労(老人ホーム)に大いに役立った」と話す。 《少年時からゲーム感覚で万引を繰り返し、20歳のころから遊興費を得るため、仲間と侵入窃盗を重ねた》20歳代の男性は保護観察付き執行猶予4年の判決。「拘留中に面会に来た2歳の長男が、自分の顔を忘れていたことにショックを受け、更生を決意」。