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ファンタジーに関するoukastudioのブックマーク (152)

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    oukastudio
    oukastudio 2015/09/02
    その翼人の男は対応に苦慮していた。  次々と矢を射かけられ、こぶし大の石まで一緒に飛んでくる。大弩弓と投石機による攻撃は激しく、そして驚くほどに的確だった。  それらをすんでのところでかわしつつ、いった
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  • 「DARK SOULS II」の剣術指導をしたジェイ・ノイズ氏に「騎士道剣術」を教えてもらった。中世文化を伝えるティンタジェルの門を叩く

    「DARK SOULS II」の剣術指導をしたジェイ・ノイズ氏に「騎士道剣術」を教えてもらった。中世文化を伝えるティンタジェルの門を叩く ライター:林 佑樹 カメラマン:佐々木秀二 やりたいことはやれたので,この時点で多いに満足している筆者。太陽万歳!! 2014年2月にレポートした「ジャパン・アーマードバトル・リーグ」を覚えているだろうか。実際に西洋甲冑を着込み,剣や盾,ポールアームを装備してハードにぶつかり合う競技だ。この取材を行った筆者は,そのあまりの迫力と面白さに惹かれたのだが,記事を読んだ人の中にも,「実際に体験してみたい!」と思った人はいるのではないだろうか。 今回,ジャパン・アーマードバトル・リーグを開催した「キャッスル・ティンタジェル」に取材を申し込んだところ,城主(代表取締役社長)のJay E Noyes(ジェイ・ノイズ)氏に,「アーマードコンバット」(Armored C

    「DARK SOULS II」の剣術指導をしたジェイ・ノイズ氏に「騎士道剣術」を教えてもらった。中世文化を伝えるティンタジェルの門を叩く
  • つばさ - *

    帝都はあの騒乱以来、初めてと言っていいほどに活気のある賑わいを見せていた。 あちらこちらに露店が立ち、なし崩し的に中断させられた春の大祭を改めて楽しもうと、大通りは多くの人々でごった返している。 しかし、その盛り上がりとは裏腹に、まだまだ無惨な姿をさらしているところもあった。物資の配給が追いつかず、人手不足も深刻だ。騒乱の爪痕は、確かにまだ残っていた。 それでも、人々の顔には輝きが戻りつつある。 くよくよ悩んでいても仕方がない、泣く暇があったら体を動かす――口で言うのは簡単だが、実行するのはそれとは比較にならないほど難しい。それをなすことができる帝都の民はたくましかった。 まだ主要な大通りでさえ復旧が叶っていないところが多いというのに、これだけの人が集まっているのには訳があった。 今日は〝大葬祭〟が開かれる日であった。もちろん、あの騒乱によって犠牲となった人々の弔いのために催されるものだ。

    つばさ - *
    oukastudio
    oukastudio 2013/06/23
    帝都はあの騒乱以来、初めてと言っていいほどに活気のある賑わいを見せていた。  あちらこちらに露店が立ち、なし崩し的に中断させられた春の大祭を改めて楽しもうと、大通りは多くの人々でごった返している。  し
  • つばさ - *

    犠牲者は二十三名。 今回の帝都騒乱の全体から見れば微々たるものでしかないのかもしれないが、〝新部族〟としてはあまりに痛く、また人数の多寡にかかわらずあまりに悲しいことであった。 「また、私は……」 どんな言い訳も許されない事実。 仲間が死に、自分が生き残った。 それは、みずからのために友を犠牲にしたことに他ならなかった。 先に逝ってしまったひとりひとりの顔が明瞭に思い浮かぶ。そのどれもが、これ以上ないというくらいに輝いていた。 ――私は、犠牲者が出るのを承知のうえで彼らを行かせた。 それはすなわち、自分が彼らを殺したということと同義であった。 逃れようとしても逃れられぬ罪。 あまりに重たく、そして苦しかった。 ――いっそ、私を恨んでくれたらいいのに。 何度も何度もそう思う。 しかし、けっして人を憎むような者たちではなかった。そんなだからこそ、なおいっそう申し訳なさが込み上げ、この胸を苛む。

    つばさ - *
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    oukastudio 2013/06/22
    犠牲者は二十三名。  今回の帝都騒乱の全体から見れば微々たるものでしかないのかもしれないが、〝新部族〟としてはあまりに痛く、また人数の多寡にかかわらずあまりに悲しいことであった。 「また、私は……」  ど
  • つばさ - *

    「あーあ、ヴァイクの奴も行っちゃったか」 ナーゲルは木の上で思いきり伸びをしながら、手にある赤黒い布きれを握り直した。 ほとんど一瞬と言ってもいい短い間にすべてが終わってしまったことの虚無感。 まさか計画が完全に失敗するとは思わなかったし、まさか翼人最強のマクシムが倒されるとも思わなかった。 予想外の出来事の連続――しかし、これが戦なのだとも思う。 これまで大規模な戦いには参加したことがなかったが、実は思うとおりにならなくて当たり前だった。あれほどの広い範囲で、あれほどの人数が一度に戦ったのだから、想像どおりにことが運ぶと考えるほうが無茶というものだった。 中でも驚きだったのが、自分たちの他にはぐれ翼人の大きな集団が存在していたことだ。 しかも、おそろしく強い。 もし真正面からぶつかっていたら、こちらはこてんぱんにやられていたはずだ。先の戦いがそれなりに拮抗していたのは、状況が混乱していた

    つばさ - *
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    oukastudio 2013/06/20
    「あーあ、ヴァイクの奴も行っちゃったか」  ナーゲルは木の上で思いきり伸びをしながら、手にある赤黒い布きれを握り直した。  ほとんど一瞬と言ってもいい短い間にすべてが終わってしまったことの虚無感。  まさ
  • つばさ - *

    この宮殿から見える帝都の景色は、わずかな時間で一変してしまった。 家屋の多くが潰れ、衛兵の詰め所など帝国の各施設も壊滅的な打撃を被った。 道は、飛行艇の落下と騎馬の疾走のせいで荒れ果ててしまっている。 そして、その壮麗さが諸外国でも絶賛されるほどの大神殿も、外壁のあちらこちらがはがれ落ち、今は見る影もない。 普通なら絶望感しか引き起こさないそんな光景でも、フェリクスはけっしてすべてを否定的にとらえているわけではなかった。 確かに、美しき帝都はほんの数時間のうちに呆然とするほどに破壊されてしまった。 しかし、その戦いが集結してからわずか数日のうちに、すでに驚くほど復興は進んでいた。破壊は早かったが、そこからの回復もまた早かった。 だが、どうにもまだ何かが終わったという気になれない。 反乱の首謀者であったゴトフリートは死に、翼人たちは去り、大神殿はバルタザルを大神官長から罷免することによって当

    つばさ - *
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    oukastudio 2013/06/19
    この宮殿から見える帝都の景色は、わずかな時間で一変してしまった。  家屋の多くが潰れ、衛兵の詰め所など帝国の各施設も壊滅的な打撃を被った。  道は、飛行艇の落下と騎馬の疾走のせいで荒れ果ててしまっている
  • つばさ - *

    ただひたすらに体を動かす。 まだ風が吹けば肌寒い季節だというのに、自分とその周りにいる者たちはもう汗だくだった。 とにかく、やるべきことが多い。 家を失った人々が無数にいるから、当面、雨露をしのぐところを確保しなければならないし、糧が絶対的に不足しているから、諸侯から援助してもらわなければ現実問題としてどうにもならない。 瓦礫を運び出し、犠牲者の遺体を埋葬するだけも大ごとだった。数も量も半端ではない。人の遺体を物のように運ぶ作業は、精神に応えた。 ――これが人間の業というものなのかもな。 元はノイシュタットの近衛騎士であったヨアヒムは今、帝都の復旧に全面的に協力していた。 あの悲惨な戦いが集結したあと、ノイシュタット騎士団を正式に辞した。 同僚をはじめオトマル卿やフェリクス閣下までもが引き留めてくれたが、自分の気持ちに嘘をつくことはできなかった。 この一連の騒動は、自分の価値観を決定的に

    つばさ - *
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    oukastudio 2013/06/18
    ただひたすらに体を動かす。  まだ風が吹けば肌寒い季節だというのに、自分とその周りにいる者たちはもう汗だくだった。  とにかく、やるべきことが多い。  家を失った人々が無数にいるから、当面、雨露をしのぐと
  • つばさ - >

    「あのな」 ベアトリーチェの頭越しに声が聞こえてくる。 マクシムはヴァイクのあまりに一方的な物言いに、なかば呆れたように反論した。 「このばかやろうが。俺だって人間も重い業の鎖に縛られていることくらい――」 だが、その言葉を最後まで言い切ることはなかった。 「え?」 声を上げたのはベアトリーチェだった。その左の肩口から、剣の切っ先が顔を覗かせている。 一番はじめに、その意味するところを悟ったのはヴァイクだった。 「マクシムッ! 貴様……!」 ベアトリーチェが、ゆっくりと俯せに倒れていく。それを急いで受け止めながら、ヴァイクは怒りと憎しみに燃える目を、仇のほうへきっと向けた。 そのときになってようやく現状を正確に把握した。 マクシムの左胸を、鈍色(にびいろ)をした小ぶりの剣が刺し貫いている。その巨体が目の前で、なす術なく頽(くずお)れていく。 その背後に立っていたのは、黒に近い紫色の翼をした

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    oukastudio 2013/06/15
    「あのな」  ベアトリーチェの頭越しに声が聞こえてくる。  マクシムはヴァイクのあまりに一方的な物言いに、なかば呆れたように反論した。 「このばかやろうが。俺だって人間も重い業の鎖に縛られていることくらい
  • つばさ - >

    ヴァイクは、久しぶりに戦慄を覚えた。 ――これがマクシムの当の実力なのか。 圧倒されるとはまさにこのことで、ほとんど何もさせてもらえない。 後手に回ってしまったのも痛かった。正攻法では勝ち目がないことは初めからわかっていた。 こちらは、常に動き回りながら相手の隙をうかがう戦い方をしなければならなかったのに、もはやその余裕はなく、相手もそうした戦法に慣れてきているようだった。 八方ふさがりとはまさにこのことだ。攻めることもできなければ引くこともできない。しかし、このまま耐えつづけていても、いつかはやられてしまうことは明白だった。 なんとかしなければならない。しかし、なんともならない。罠にはまって逃げ出せず、ただ死を待つしかない兎のような気分だった。 〝誰だって、窮地に陥るときはある。大切なのはそうなってもあわてず、あきらめないことだ〟 また、昔の言葉が頭の中で反響する。 〝世の中な、意外に

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    oukastudio 2013/06/13
    ヴァイクは、久しぶりに戦慄を覚えた。  ――これがマクシムの本当の実力なのか。  圧倒されるとはまさにこのことで、ほとんど何もさせてもらえない。  後手に回ってしまったのも痛かった。正攻法では勝ち目がない
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    「悔しいが、やっぱりあんたは強い。なのに、どうして間違った方向へ進んでしまったんだ」 この力量、そしてその器なら正道を歩むこともできたはず。 そうすれば、かつての仲間と敵対することもなく、余計な犠牲者を出すこともなく、より建設的に事を進めることができたろう。もしマクシムがその道を採っていたのなら、自分も喜んで協力した。 それが現実はどうだ。多くの無実の人々が一方的に巻き込まれ、そして死んでいき、〝極光〟でさえその犠牲者の数は尋常ではない。それなのに、その成果はほとんど見えていなかった。 これのどこに希望があるというのか。 これのどこに救いがあるというのか。 自分には絶望しか見えなかった。 だが……マクシムは、まったく違う考えのようだった。 「間違った方向、か。確かに端(はた)から見ていれば、そう感じるのかもしれない。だがな、理想の追求に犠牲は付き物なんだよ。すべてを求めて、すべてが得られる

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    oukastudio 2013/06/12
    「悔しいが、やっぱりあんたは強い。なのに、どうして間違った方向へ進んでしまったんだ」  この力量、そしてその器なら正道を歩むこともできたはず。  そうすれば、かつての仲間と敵対することもなく、余計な犠牲
  • つばさ - >

    それにしても―― 「なんて奴だ……」 完全に剣を引き抜いたマクシムのほうを見ながら、ヴァイクは内心、戦慄に震えていた。 こちらが背後をとったと思ったとき、うしろを振り返らずに勘だけで強引に横に薙ぎ払ったのだ。 しかも無茶な攻撃を放ったことで体勢が狂ったはずなのに、間髪を入れずに詰め寄ってきた。 恐るべきその戦闘能力。恐るべきそのセンス。 翼人最強というその称号は、だてではなかった。 だが、衝撃を受けているのは、かならずしもヴァイクだけではなかった。 「それはこっちの台詞だ。まさかすべての攻撃をことごとくかわされるとは思わなかったぞ」 ここまで四撃。 そのいずれもが、普通ならばほぼ確実に相手を仕留めているはずのものだった。しかし反対に、すべてをものの見事にかわされ、かすり傷ひとつ負わせることもできなかった。 これは驚愕すべき事実だったが、マクシムはむしろうれしそうに微笑んでいた。 「ひとりの

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    oukastudio 2013/06/11
    それにしても―― 「なんて奴だ……」  完全に剣を引き抜いたマクシムのほうを見ながら、ヴァイクは内心、戦慄に震えていた。  こちらが背後をとったと思ったとき、うしろを振り返らずに勘だけで強引に横に薙ぎ払っ
  • つばさ - *

    雨が羽を重く濡らし、翼の動きを阻害する。体は命のない石のように冷え、指先の感覚が失われていく。 ヴァイクは、必死になってある人物を捜していた。 いうまでもない、かつての義兄弟であり最も尊敬する戦士でもあったマクシムである。 自分でも、なぜ彼を求めようとするのかよくわからないところもある。 だが、知りたい。 過去に何があったのか、マクシムが何を考えているのか、そして、これからどうしようとしているのか――こちらからすれば、どれもこれもわからないことばかりだった。 帝都の西にある森へ急いだ。上空には得体の知れない飛行艇が一隻、不気味に漂っている。この状況であえて出てきたのだ。おそらく、何かをしでかすつもりに違いない。 ヴァレリアは大丈夫だろうか、とふと思う。勢いに任せて置いてきてしまったが、これだけの混乱だ、何が起きても不思議はない。 ――まあ、大丈夫だろう。 と、安易に考えるのも訳があった。

    つばさ - *
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    oukastudio 2013/06/10
    雨が羽を重く濡らし、翼の動きを阻害する。体は命のない石のように冷え、指先の感覚が失われていく。  ヴァイクは、必死になってある人物を捜していた。  いうまでもない、かつての義兄弟であり最も尊敬する戦士で
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    だが、ゴトフリートの異変に気づいたのはそのときだ。 額に大粒の汗をかき、呼吸が荒くなっている。 それでもゴトフリートは、それを意に介した様子もなく話しつづけた。 「だがな、フェリクス。罪はいつか精算せねばならん。それもまた世の理(ことわり)なのだよ」 「悪をなせば、その分、かならずみずからに返ってくる――小父上が以前からよくおっしゃっていることですね」 「そうだ。だから私も……そのときが来たのだ」 「!」 まさか、と思った。 目の前で、ゴトフリートがくず折れるようにして椅子に腰かけた。背もたれに上半身を完全にあずけたその姿は、明らかに常軌を逸していた。 「小父上!?」 「あの薬師(くすし)め……頼んだとおりではあるが、効くのが遅すぎるわ」 いつも無表情なレナートゥスのことを思い起こし、ゴトフリートは苦笑を浮かべようとしたが、それさえもままならない。顔は無意識のうちにも歪み、その苦しみがあり

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    oukastudio 2013/06/09
    だが、ゴトフリートの異変に気づいたのはそのときだ。  額に大粒の汗をかき、呼吸が荒くなっている。  それでもゴトフリートは、それを意に介した様子もなく話しつづけた。 「だがな、フェリクス。罪はいつか精算せ
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    あれは当にひどい戦だった。もちろん、『いい戦』など初めからあるはずもない。だが同じ戦でも、あのときのものは記憶がまったく薄らぐことがないほどに激しく、そして悲惨なものであった。 「過激な手段をとったそうですね、反乱者に手こずって」 「よく知っているな、当時のことはほとんどが内密にされたはずだが。それに、お前はまだ幼かった」 「ライマルから聞いたんです。あくまで噂としてですが」 「おお、あの道化か。自分の能力を巧みに隠す術を知っている」 「……気づいておられたのですか」 「当然だ。物の男というのは、黙っていてもその霊光(オーラ)が内側からにじみ出るものだ」 ゴトフリートは、いつも気のない振りをしていながら、その実、常に鋭い感性を張り巡らしている若い男の顔を思い出し、薄く笑った。 「そのローエ侯の言うとおりだ。我々は予想外に手こずっていた。ロシー族と、そして翼人に」 「やはり、翼人も加わっ

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    oukastudio 2013/06/08
    あれは本当にひどい戦だった。もちろん、『いい戦』など初めからあるはずもない。だが同じ戦でも、あのときのものは記憶がまったく薄らぐことがないほどに激しく、そして悲惨なものであった。 「過激な手段をとった
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    オトマルが覚悟を決めた頃、フェリクスはすでに上階への階段を駆け上がっていた。 思ったとおり、立ちはだかる者はまったくない。時おり人の姿を見かけるが、訓練を受けた兵士ではないようだった。 三階まですぐに来たが、迷わずさらに上を目指す。 あえてここに留まったのなら、より遠くまで見渡せる最上階にいるのが当然だ。もしかしたら、そのさらに上にある小塔にいる可能性もあった。 ――しかし、きついな…… 弱音を吐いている場合ではないことはわかっているが、さすがに鎧をまとったままでの全力疾走は骨が折れる。 フィデースで負った怪我の状態も思わしくなく、ひょっとしたらすでに傷口が開いているかもしれない。 部下たちも限界ぎりぎりのところで、体を張って奮闘をつづけている。自分だけが苦しいのではない。将として、これくらいのことで負けるわけにはいかなかった。 ――こうなったら―― 右手に握っていた剣を放り投げた。あえて

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    oukastudio 2013/06/07
    オトマルが覚悟を決めた頃、フェリクスはすでに上階への階段を駆け上がっていた。  思ったとおり、立ちはだかる者はまったくない。時おり人の姿を見かけるが、訓練を受けた兵士ではないようだった。  三階まですぐ
  • つばさ - *

    雨が上がりはじめた。 しかし、未だ空には雲が厚くたれ込め、そろそろ中天に差しかかっているはずの太陽を完全に遮っている。その黒い靄は、あたかも怨霊の群でもあるかのように不気味で重い。 それを恨めしげに見上げたあと、フェリクスはすぐさま視線をそらした。 ――今の空は見たくなかった。 あそこには、悪意が飛んでいる。そう、自分の放った最大の悪意が。 飛行艇オリオーンを使う決断を下したのは、他ならぬ自分であった。 現在の情勢、翼人への対応、そして今後の帝国のことを思えば、戦いの趨勢を決することができる兵器を投入することは当然のことではあった。 しかし、それと同時に、あれを使えば無実の人々にまで被害を及ぼすこともわかりすぎるほどにわかっていた。 それにもかかわらず、あえてその使用を断行した。 たとえどんな言い訳をしようと、その大罪を免れ得るようなことではない。犠牲を承知のうえでしでかしたことは、いつか

    つばさ - *
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    oukastudio 2013/06/06
    雨が上がりはじめた。  しかし、未だ空には雲が厚くたれ込め、そろそろ中天に差しかかっているはずの太陽を完全に遮っている。その黒い靄は、あたかも怨霊の群でもあるかのように不気味で重い。  それを恨めしげに
  • つばさ - *

    戦とは恐ろしいものだ。 どんなに綿密な作戦を練ったとしても、たったひとつの不確定要素によって戦局ががらりと変わってしまうこともある。そして、すべてが悲しいほどあっさりと無駄になっていく。 軍を含めた組織というものは、ひとりひとりの人間という細部がつながり合って全体を構成しているひとつの生命体のようなものだ。 思うように動かせるようで、実は思うままにならないところが多々ある。人間が自身の体を完璧に使いこなすことはできず、また病気になったときにどこが悪いのかよくわからないこともあるように。 カセル侯軍の動きは鈍かった。 ――やはり、帝国に対して仇なすことに抵抗を感じている兵が多い。 これまでの成果からてっきり一枚岩になりきれていると思い込んでいたが、いざ実際に帝都で諸侯の軍や宮廷軍と争う段になって、こころのどこかに迷いが出たのだろうか。 それは仕方のないことなのかもしれなかった。 我々がやろう

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    oukastudio 2013/06/05
    [ライトノベル:]戦とは恐ろしいものだ。  どんなに綿密な作戦を練ったとしても、たったひとつの不確定要素によって戦局ががらりと変わってしまうこともある。そして、すべてが悲しいほどあっさりと無駄になっていく