リストラが続く米IBMだが、その一方で同社はある職種を積極的に増やしている。デザイナーだ。2012年には375人にすぎなかったIBMの社内デザイナーの数は、2015年には1100人にまで増加。さらに2017年には1500人に増やす計画だ。 IBMの狙いは「デザイン思考」の実践にある。デザイン思考とは、「デザイナーの手法や考え方を応用にした、イノベーションを生み出すための方法論」のこと。米Googleや米Airbnbなどシリコンバレーの有力スタートアップが実践していることで有名だが、伝統的なエンタープライズITベンダーの代表格であるIBMも、実はデザイン思考の熱心な信奉者である。 「2012年にCEO(最高経営責任者)に就任したGinni Rometty氏は、デザイン思考にIBMの未来を賭けた」。IBMのDesign Principalを務めるDoug Powell氏(写真1)はそう言い切る