米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が「世紀のツナミ(津波)」と表現した金融危機に直撃された世界最北の島国アイスランド。国内大手3行の借金は国内総生産(GDP)の10倍以上にのぼる。自国通貨は暴落した。高金利、インフレ、失業…。32万人の国民は、政府や中央銀行への怒りを爆発させていた。(レイキャビク 木村正人、写真も)《怒りのデモ行進》 「辞めろ!」。1日、首都レイキャビクの目抜き通り。3000人がオッドソン中央銀行総裁(議長)とハーデ首相の辞任を求めデモ行進した。総裁の人形が“絞首刑”にされ、ブタの鼻をつけたハーデ首相の写真をプリントしたTシャツが掲げられた。コンピューター・エンジニアのバアルソンさん(52)は「国民がこれだけ集まり抗議するのは前代未聞だ。私たちは銀行がこんなに肥大化しているとは知らなかった」と怒りをあらわにした。 国内大手3行の莫大(ばくだい)な借金によ