【村上春樹も影響を受けた作家】 今回紹介するのは、現代アメリカ文学を体現する小説家の一人であるカート・ヴォネガットの卒業式スピーチをまとめた本です。 カート・ヴォネガットといえば、『タイタンの妖女』『猫のゆりかご』『スローターハウス5』 等の衝撃作をいくつも書いたSF作家であり、『モンキー・ハウスへようこそ』は特に何度も読み返しました。 そんなヴォネガットが独特のブラック・ユーモアを交えながら人生の教訓を示してくれるのがこの『これで駄目なら』という本です。 原題は『IF THIS ISN'T NICE WHAT IS?』であり、スピーチの際中に色んな文脈で何度も登場するセリフになっております。 現代アメリカ文学を体現する小説家 まずはダン・ウェイクフィールドという方による「序文」から。 彼は「芸術家の社会的機能は、人々が以前にも増して人生を好きになるようにすることだ」と書いている。たとえば