ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく2年。戦時下にあるロシア経済は、どこまで持続可能なのか。 関連記事 戦時下で変質するロシア経済 欧米の制裁に耐えられるのはなぜ? フランスのシンクタンク「国際関係研究所」(IFRI)は2023年7月、ウクライナ侵攻が始まった22年2月以降、ロシアから国外に移住した人の数が100万人に上るとの報告書を発表。1917年のロシア革命直後に匹敵する規模の人口流出だと指摘する。 人口流出は労働力の減少に直結する。また、ロシアでは「戦時経済化」に伴って軍や軍需産業に雇用が集中しているため、民間部門で人手不足が起きている。 拡大する政府支出とともに、労働力不足はインフレ(物価上昇)圧力となる。だが、ロシア中銀は金利16%の金融引き締めで対処し、インフレ率を7%台に抑えている。 元ロシア中央銀行顧問でカーネギー・ロシア・ユーラシアセンター非常勤研究員のアレクサンドラ・