この映画は、こどもたちの現実を母親と教師の視点からそれぞれに描き、親と子、教師と生徒の関係の困難さを浮き彫りにするが、映画が最終的に辿り着くのは、育てる側ではなくこどもたち自身の世界だ。 (劇場用パンフレット『怪物』東宝ライツ、2023) こんにちは。先週、移動教室に行ってきました。通算16回目の宿泊行事です。当日までの準備も、1泊2日の引率も、労働の視点から描くとイリーガルそのものですが、今回もまた、最終的には「行ってよかったな」という思いに辿り着くのだから、映画みたいにミラクルです。長時間労働という怪物はいても、映画『怪物』で描かれているようなモンスターはいません。4年生からの持ち上がりの学年(5年生)ということもあって、一人残らず、 おもしろい。 映画『怪物』のパンフレットには角田光代さんと内田樹さんのコラムが載っていて、本好きには嬉しい。角田さん《子どもは大人が思うより複雑で、ゆた