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  • 書籍「いちばんやさしいWeb3の教本」は本当に酷い内容だし、Web3界隈の人は一致団結して間違いを指摘して、インプレスは回収して内容修正するべき

    2022年7月26日追記:インプレスの「いちばんやさしいWeb3の教本」回収判断についてという記事を書きましたので、こちらもあわせてご覧ください。 著者の方には申し訳ないのですが、下記のツイートで存在を知った「いちばんやさしいweb3の教本」という書籍が本当に酷い内容です(内容が気になる人は、2022年7月31日までインプレスのサイトで1、2章が無料公開されていますので、ぜひご覧ください) 。 Web3の説明ではだいたいGAFAがディスられるけど、「TCP/IP、SMTP、HTTPはGoogleやAmazonに独占されてる」というのはさすがに理不尽すぎる pic.twitter.com/amgEU3Gmpg — catnose (@catnose99) July 19, 2022 #いちやさWeb3 実在する技術用語をやさしく噛み砕いているようで実際のところ意味不明なワードサラダなので悪質

      書籍「いちばんやさしいWeb3の教本」は本当に酷い内容だし、Web3界隈の人は一致団結して間違いを指摘して、インプレスは回収して内容修正するべき
    • 差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!|Hayakawa Books & Magazines(β)

      差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説! 「白人は、白人というだけで人種差別的である」 「病気や障害を治療・予防しようとする試みは、当事者への憎悪に基づいている」 「映画の中で黒人女性キャラクターを力強いタフな人物として描くのは黒人差別(だが、弱く従属的な存在として描くと女性差別)」 ――ほんとうに? 現代世界を席捲する「社会正義」の根拠を問う全米ベストセラー『「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(ヘレン・プラックローズ、ジェームズ・リンゼイ:著、山形浩生、森本正史:訳、早川書房)。11月16日の刊行に先立ち、山形浩生氏による「訳者解説」を全文公開します。 『「社会正義」はいつも正しい』早川書房訳者解説1 はじめに本書はHelen Pluckrose and James Li

        差別をなくすために差別を温存している? 『「社会正義」はいつも正しい』の読みどころを訳者・山形浩生が解説!|Hayakawa Books & Magazines(β)
      • 2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー|Less Than Useful

        2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー (注) いきなり削除されていたのでAmazonカスタマーサービスに問い合わせて削除の取り消しを希望したところ、30分ほどでガイドラインに抵触云々のテンプレートの返答が帰ってきて削除の取り消しも拒否されたので、ここに再掲しておく。斉藤幸平氏が批判するAmazonのようなワンクリックで何でも手に入る資本主義の極北みたいなシステムが、資本主義システムを批判する本への☆一つのトップレビューを、知識のコモンズを支えるネットというプラットフォームから削除してしまうっていう状況はなかなかアイロニカルでよい。もっと酷い罵倒したレビューは消されてないのに。しかしよく考えてみれば資本主義システムの欲望ドライブ+マルクス思想って、それってまんま近隣の某大国やん?ってこと

          2021年5月10日にAmazonカスタマーサービスによって削除された斉藤幸平著 『人新世の「資本論」』への2020年9月29日投稿のレビュー|Less Than Useful
        • メモ - 社会学内部からの社会学批判

          twitterでは社会学批判が喧しいが、当然ながら社会学内部からも同様の批判はある。それをメモ代わりにまとめておく。 太郎丸博:査読文化の欠如 「社会学者からの社会学批判」として昨今のインターネットSNSで最も引用されているのは、2009年の太郎丸博氏のブログ記事「阪大を去るにあたって: 社会学の危機と希望」であろう。彼の主張を端的に表す部分を抜き書きすると下のあたりだろう。 「最後に日本の社会学に対する危惧を一つ述べておきます。日本の社会学の特徴は、アカデミズムの軽視だと思います。すなわち、学会報告や学会誌を軽視しているということです。学会発表もせず、学会誌に論文を投稿もせず、それでも社会学者づらして本を出版したり、さまざまなメディアで発言することができるのが、日本社会学の実情です。」 「アカデミズムを軽視し、本に好き勝手なことを書くことを理想とするようになります。研究そのものから降りて

            メモ - 社会学内部からの社会学批判
          • 読書メモ:『現代思想入門』 - 道徳的動物日記

            現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也 講談社 Amazon 大学生から大学院一年生の頃までのわたしはいっちょまえに「哲学」や「思想」に対する興味を抱いており、哲学書そのものにチャレンジすることはほとんどなかったが、様々な入門書は読み漁っていた。現代思想については難波江和英と内田樹による『現代思想のパフォーマンス』でなされていた紹介をもっとも印象深く覚えており、次点が内田樹の『寝ながら学べる構造主義』や竹田青嗣の『現代思想の冒険』。個別の思想家についてはちくま新書の『〜入門』やNHK出版の『シリーズ 哲学のエッセンス』を読んでいたが、とくに後者についてはあれだけ何冊も読んだのに一ミリも記憶が残っていない。そして、修士論文を書くために英語圏の倫理学や政治哲学の本をメインに読むようになってからは現代思想に対する興味はすっかり薄れて、以降ほとんど触れなくなってしまった。 千葉雅也による

              読書メモ:『現代思想入門』 - 道徳的動物日記
            • 美学は何の役に立つのか?

              以下の原稿は、もともと2019年10月12-13日、東京の成城大学における第70回美学会全国大会のために用意した講演原稿ですが、台風19号のために中止となったため、2020年1月12日に同じく成城大学において発表させていただいたものです。その後、雑誌『美学』に掲載するという話もあったのですが、字数制限などがあり残念ながら実現しませんでした。美学会の将来ということを意識した内容なので、このまま一般の雑誌原稿としても発表しにくいため、ここで共有したいと考えました。 〈1〉「歴史の終焉」が意味するもの 2010年、中国の北京大学において、第18回国際美学会議が開催されました。その時の大会テーマは「美学の多様性(Diversities of Aesthetics)」というものでした。企画者のひとりであった佐々木健一氏はそこで「美学の哲学的役割(Philosophical Role of Aesth

              • 06_文系不要論の系譜学──「二つの文化論争」から見えるもの|光文社新書

                人文学の源流を訪ねて 前回私は、日本学術会議問題という時事的問題から、人文学叩きの問題、そして「役に立つ」学問と教育をめぐる問題を論じた。本連載で一貫して論じてきたところではあるが、そこで明らかになったのは、人文学批判、そして人文学を「役に立たない」学問にカテゴライズして葬り去ろうとする動きの文脈には、新自由主義の緊縮財政があり、また緊縮財政を背景とした大学内部での「政治」(人文学を担う旧教養課程が「狩り場」となったことなど)が存在したことだった。 学問が「役に立つ/役に立たない」こと、そして人文学が役に立たない学問の代表として扱われていることには、確かに現代の新自由主義特有の論理があるだろう。しかし、「役に立つ/立たない」という問題設定と人文学の位置づけは、まったく新しいものとは言えない。ほぼ近代の人文学の始まりから存在してきたのではないだろうか。 今回は、一旦現在の日本から離れて、「文

                  06_文系不要論の系譜学──「二つの文化論争」から見えるもの|光文社新書
                • 書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など

                  「社会正義」はいつも正しい: 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン・プラックローズ,ジェームズ・リンゼイ,Helen Pluckrose,James Lindsay早川書房Amazon 本書はアメリカのアカデミアで吹き荒れる行き過ぎたポリコレ,アイデンティティ・ポリティクス,社会正義運動,キャンセルカルチャーがどのような思想的な流れの上に発生したものか,代表的な議論はどのようなものか,そしてこれに対抗するにはどうすればいいのかを語る本になる.著者たちはこれらの運動の基礎にあるのは1970年代に一世を風靡し,その後その非生産性とシニカルさから衰退していったと思われていたポストモダニズムにあるのだと喝破し,詳しく解説してくれている.著者は第2のソーカル事件(不満スタディーズ事件)の首謀者でもある数学者のジェームズ・リンゼイと評論家のヘレン・プラックローズ.原題

                    書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など
                  • 堀元見1万字インタビュー「ビジネス書って同じことばっか書いてない?」(深水英一郎氏寄稿) | おたくま経済新聞

                    こんにちは、深水英一郎(ふかみん)です。 今回は、「ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律」著者の堀元見(ホリケン)さんにお話をききます。気づいたら1万字超えてました。 この企画のきっかけは、「ビジネス書ってなんか同じようなことばっかり書いてない?」という素朴な疑問。そのことを解明すべく、ヒットしたビジネス書の中から100冊を選んで分析し、教えを抽出するという荒行に挑んだそうです。なによりすごいのはそれらの作業をすべてLIVE配信しながらやったということ。まるでゲーム実況のようにビジネス書を読み、配信は毎回大盛りあがり。その成果が今回書籍となって結実しました。この企画を産み出した本人は一体どのような考えで挑んだのでしょうか。 著者のホリケンさんに早速話をきいてみましょう。 ※このインタビューは本書発売前におこなったものです。 ▼書籍DATA 「ビジネス書ベストセラーを1

                      堀元見1万字インタビュー「ビジネス書って同じことばっか書いてない?」(深水英一郎氏寄稿) | おたくま経済新聞
                    • 日本のSFは仮想戦記をパージしたか?

                      まとめ 架空戦記はなぜ衰退したのか? かつて大繁栄したが今や見る影もなく衰退し、現在の「萌えミリ」ブームでも浮上できない架空戦記というジャンル。なぜそうなったか?についてまとめました。 83514 pv 313 126 users 9 鳥山仁 @toriyamazine ちなみに、日本のSFが衰退したのは、左派が政治的理由で仮想戦記をジャンルごとパージというかシカトしたため、読者をごっそり失ったのが一番の理由で、後のネトウヨ系出版にまつわる色々な事象の大半は、この時に既に出ているんだよね。そして、トドメにソーカル事件で科学的な看板も剥奪されて終了。 2020-08-24 16:44:48 鳥山仁 @toriyamazine 電子書籍が出る前は、総面積が決まっている書店の棚を、どの程度占有できるかがジャンルの盛衰を決める重要な要素だった時期があって、仮想戦記の人気が大爆発の時期に、その煽りを

                        日本のSFは仮想戦記をパージしたか?
                      • 「フェミニズム版ソーカル事件」を起こした哲学者、大学から追放される|小山(狂)

                        「第二のソーカル事件」と呼ばれる事件が2017年に起きたことをみなさんはご存じだろうか。 「ソーカル事件」とは言わずと知れたポストモダン思想史における大事件だ。1990年代初頭、ニューヨーク大学の物理学教授だったアラン・ソーカルはポストモダン思想と呼ばれる知識体系に疑問を抱く。当時のポストモダンは数学や物理学の知識を援用して社会構造を論ずることが流行していたが、本職の物理学者であるソーカルには彼らの科学知識があまりにも不確かに思えたのだ。 ポストモダン思想の学術的欺瞞を告発するために、ソーカルは一計を思いつく。ポストモダン思想の文体を真似たデタラメな論文を専門の学術誌に送りつけ、それがアクセプトされるかどうか試すことにしたのだ。 かくして「境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて」と名付けられたデタラメ論文が1994年に執筆された。論文は(意図的に)支離滅裂かつデタラメに書かれてい

                          「フェミニズム版ソーカル事件」を起こした哲学者、大学から追放される|小山(狂)
                        • ハーバード大学の経済学者ラムザイヤー氏を差別的と批判する記事に「社会学自体が、差別を生産する側の学問(の皮を被った何か)だから」というコメントがつく謎 - 法華狼の日記

                          先日から天然ソーカル事件*1のような意味で話題になっているJ・マーク・ラムザイヤー氏が、ついに日本の新聞から批判的にとりあげられた。 www.okinawatimes.co.jp 慰安所制度の査読論文で話題になった後、「余命三年」*2や「桜井誠」から引用している*3と知った時も驚いたが、今回の記事によると沖縄についての論文で渡邉哲也氏と惠隆之介氏の共著から引用しているという。 論文は例えば「本土の大半が飢餓を辛うじて免れていた終戦直後、米軍は沖縄の人々には気前よく大量の牛肉など食料を配布した」と記述する。実際には沖縄の収容所では栄養失調で亡くなる人が続出した。 この記述の引用元は「沖縄を本当に愛してくれるのなら県民にエサを与えないでください」(渡邉哲也氏、惠隆之介氏著)という対談本だ。ラムザイヤー氏はこの本をたびたび引用しながら参考文献に含めず、沖縄差別があらわな書名を明示しなかった。恣意

                            ハーバード大学の経済学者ラムザイヤー氏を差別的と批判する記事に「社会学自体が、差別を生産する側の学問(の皮を被った何か)だから」というコメントがつく謎 - 法華狼の日記
                          • 谷口一平「「マイナス内包」としての性自認の構成」&査読コメント を検証する - 落ち着けMONOLOG

                            【拡散希望】本日、日本大学哲学会『精神科学』に投稿していた私の論文「「マイナス内包」としての性自認の構成 (Gender as Irifuji’s Minus-Intensions)」に、不採用の通知が届きました。来年出る『精神科学』に掲載されるよう今年春に書いたもので、トランスジェンダーを巡っても注目を集めている pic.twitter.com/EaJD44DVxv — 谷口一平 A.k.a.hani-an (@Taroupho) 2023年12月25日 独立研究者・谷口一平氏の日本大学哲学会『精神科学』への投稿論文がリジェクトされた。 そこで谷口氏は査読過程、及び匿名査読者2名の査読コメントに疑義を投げかける連投ツイートを昨年末にしていた。 谷口氏のツイートを見る限り、この疑義にはもっともな部分もありそうだが、谷口氏の論文本体が公開されているわけではないので、判断しかねる部分もある。

                              谷口一平「「マイナス内包」としての性自認の構成」&査読コメント を検証する - 落ち着けMONOLOG
                            • 書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                              The Parasitic Mind: How Infectious Ideas Are Killing Common Sense 作者:Saad, GadRegnery PublishingAmazon 本書は進化心理学者ガッド・サードによる一冊.ガッド・サードは消費者心理やマーケティングを進化心理学的に分析考察する業績で知られている.題名は「寄生性の心:どのように感染性のアイデアが常識を殺すのか」という意味であり,一見したところミーム論の本のように見える(私としては進化心理学者の書いたミーム論だと思って手にした一冊になる).しかし実際に読んで見るとこれは現在アメリカのアカデミアで一大勢力を振るうウォークプログレシブによるキャンセルカルチャー告発の書であった.アカデミアのキャンセルカルチャーの問題を扱った心理学者がかかわった本としては以前にルキアノフとハイトの「The Coddling

                                書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                              • Otaku ワールドへようこそ![318]哲学者に雷を落とした物理学者・谷村省吾氏に聞く:意識の謎について/GrowHair

                                Otaku ワールドへようこそ![318]哲学者に雷を落とした物理学者・谷村省吾氏に聞く:意識の謎について ── GrowHair ── 投稿:2019年11月22日  著者:GrowHair ●「谷村ノート」への疑問:意識の謎を理解してる? 物理学者である谷村省吾氏(名古屋大学教授)は、2019年11月6日(水)、『一物理学者が観た哲学』と題する、総ページ数110ページにわたるPDFファイルを公開した。通称「谷村ノート」と呼ばれる。 http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/%7etanimura/time/note.html これは、下記の書籍への補足ノートという形をとっている。 森田邦久(編著) 「〈現在〉という謎:時間の空間化批判」 勁草書房(2019/9/27) この書籍は、物理学者たちと哲学者たちとの紙上討論という形で編まれている。本は無事完成し

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                                • 不満研究事件 - Wikipedia

                                  不満研究事件(ふまんけんきゅうじけん、英:Grievance studies affair)、または「第二のソーカル事件」とも呼ばれるスキャンダルは、ピーター・ボゴシアン、ジェームズ・A・リンゼイ、ヘレン・プラックローズの3人の著者のチームが、彼らが「学問として貧弱であり、査読基準が腐敗している」と見なすいくつかの学術分野に注目を集めるためのプロジェクトであった。 2017年から2018年にかけて行われた彼らのプロジェクトは、社会学における文化・クィア・人種・ジェンダー・肥満研究(英語版)・セクシュアリティ研究の学術誌にデタラメなおとり論文を投稿し、査読を通過して出版が認められるかどうかを試すというものであった。それらの論文のうちいくつかはその後出版され、著者たちはそれを自分たちの主張の裏付けとした。 この事件以前にも、ポストモダン哲学や批判理論の影響を受けた多くの研究の知的妥当性に対する

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                                  • たちよみ『話が通じない相手と話をする方法』監訳者解題(by 藤井翔太)|晶文社

                                    2024年2月2日に発売する『話が通じない相手と話をする方法──哲学者が教える不可能を可能にする対話術』(ピーター・ボゴジアン+ジェームズ・リンゼイ著)の監訳者・藤井翔太さんによる「監訳者解題」を公開します。 分断と二極化の時代、考えが異なる人とも礼節と共感を保って会話・対話をするにはどうしたらよいか? 本書はそのすべてを網羅した実践的マニュアルです。しかし、本書の著者ふたりは米国の学術界・言論界でトラブルメーカーとしても知られる存在。本書をいかに受け止め、活かしていけばよいか、藤井さんに語っていただきました。 はじめに本書は、Peter Boghossian & James Lindsay, How to Have Impossible Conversations: A Very Practical Guide (Da Capo Lifelong Books, 2019) の全訳である。

                                      たちよみ『話が通じない相手と話をする方法』監訳者解題(by 藤井翔太)|晶文社
                                    • 辞書を丸ごと読んだら楽しかった『MD現代文・小論文』

                                      きっかけは『独学大全』だ。 語彙力を底上げするならこれだぞーとお薦めされたのと、どうせなら丸ごと読んでやれと思い、93日かけて踏破した。継続は力というのは本当で、読むことそのものより、続けることに注力した。 この記事の前半は、その続け方のコツを紹介し、後半では、『MD現代文・小論文』の魅力と問題点について語ろう。 まず、700ページを超える辞書をどうやって読んだか? もちろん、一日に数ページずつ読んでいくことを積み重ねていけばできる。700ページをノルマで割れば、何日かかるか、計算上は予測できる。 だが、それってかなり大変だ。単調だし、飽きるかも。「ノルマ」なんて決めて、それを守れるのか? 三日坊主にならないか? 「そもそも何でやってるんだろう?」 と我に返る可能性だってある。 習慣を作る だから、毎日読む習慣を作った。 具体的には、読むタイミングを決めた。PCを立ち上げる前、昼食後、寝る

                                        辞書を丸ごと読んだら楽しかった『MD現代文・小論文』
                                      • 「マルクスの大霊言」では近代資本主義経済批判にはなっても、現代社会の危機への処方箋にはなり得ない (10月29日再読後に追記 SDGsへの補足と資本「論」)

                                        「眠っているマルクスを久々に呼び起こそう。彼ならきっと人新世からの呼びかけにも応えてくれるはずだ (p138)」。この一文を読んで評者は、この本は要するに「マルクスの大霊言」なのだと思ってしまったのだが、あまりに手放しで絶賛するレビューばかりなのに驚いたので敢えて☆一つ。読む価値がないという意味ではないのだが,マルクスに立脚した近代資本主義批判が広く浸透せず、また実効性も持ちえていない現状の理由が本書の論の進め方に顕れてしまっているように思えるのだ。 1. まず著者は本書冒頭で「SDGsは大衆のアヘンである!」と、マルクスにならって声高に宣言したかったようだが、いきなり大きな見当違いをしている。最近、巷で皮相的な「SDGsビジネス本」や「SDGsビジネスモデル」が氾濫し、いわゆるグリーン・ウォッシュならぬ「SDGsウオッシュ」の様相を呈していて、アリバイ作りというかこうした便乗ビジネスには

                                        • 不平不満研究事件について - まとまり日記

                                          不平不満研究事件(「フェミニズム版ソーカル事件」と呼ばれることもある)について、ラゲルスペッツ(Lagerspetz)という社会学者の論文を読んだので、それを簡単に紹介したい*1。 事件の概要 不平不満研究事件(The Grievance Studies Affair)とは、2018年にピーター・ボゴシアン、ジェームス・リンジー、ヘレン・プラックローズの三人の研究者(以下BLP)が、彼らが「不平不満研究」(Grievance Studies)と呼ぶものを対象にしていくつかの学術雑誌に偽論文を投稿し、その一部が採択されたというものだ。 三人の説明では、「不平不満研究」とは具体的にはジェンダー研究・批判的人種理論・ポストコロニアル理論や、他の「〇〇理論」と呼ばれるものに基づく分野(人文系だけでなく、社会学や人類学を含めた社会科学にも存在する)のことを指す。これを彼らがなぜ「不平不満研究」と呼ぶ

                                            不平不満研究事件について - まとまり日記
                                          • 『人類の意識を変えた20世紀 アインシュタインからスーパーマリオ、ポストモダンまで』 - HONZ

                                            世界のヘソが消えた 歴史が未来を映し出す鏡であるなら、20世紀は私たちに何を見せてくれるだろう? 本書はとくに人類の意識・精神が、この激動の世紀にどのように変容したのかを描き出す。 かつてない破壊と解放をもたらした20世紀ーー科学・アート・文化などを横断しつつ、知られざる歴史の分岐や小径も見逃さない旅。ロックミュージックやビデオゲーム、SFや魔術思想などが、経済や政治の大きな転機とともに浮かび上がるだろう。 さて、20世紀初頭の大変動から、旅は始まる。当時、世界には秩序・体系のヘソ(軸)となる「オンパロス」の権威が残っていた。たとえば19世紀末、アナーキストのブルダンが世界の標準時を定めるグリニッジ王立天文台の爆破を試みたように。 ところが、科学ではアインシュタインが「相対性理論」を発表し、ニュートンによる絶対的な時空間の支配をひっくり返す。時空は観測者の運動状態などによって伸び縮みする相

                                              『人類の意識を変えた20世紀 アインシュタインからスーパーマリオ、ポストモダンまで』 - HONZ
                                            • 【批評の座標 第6回】東浩紀の批評的アクティヴィズムについて(森脇透青)|人文書院

                                              批評のみならず書籍出版や人文系のイベントスペースの運営等を通じて、ゼロ年代以降の批評界を牽引し続けている東浩紀。東が「再発明」した「ポスト・モダン」「誤配」等の概念を文脈に即して読解し直し、その活動全体から東の批評的視座を見いだします。執筆者は気鋭のデリダ研究者であり、批評誌『近代体操』を主宰・運営する森脇透青です。 批評の座標 ――批評の地勢図を引き直す 東浩紀の批評的アクティヴィズムについて森脇透青 1. 終わってくれないポスト・モダン 東浩紀(1971-)は批評家にして活動家である。このテーゼは揶揄でもアイロニーでもない。私たちは本稿を通じて、東の「批評活動」の系譜を記し、このテーゼを証明することになるだろう。 東浩紀は一般に「ポスト・モダン」の擁護者として理解されている。それも相対主義者の左翼嫌い、運動嫌いとして理解されている。しかし、東の活動について記述するうえでまず次の点を確認

                                                【批評の座標 第6回】東浩紀の批評的アクティヴィズムについて(森脇透青)|人文書院
                                              • 三大Wikipedia事件記事「三毛別羆事件」、「岡田更生館事件」 : 哲学ニュースnwk

                                                2020年01月06日00:00 三大Wikipedia事件記事「三毛別羆事件」、「岡田更生館事件」 Tweet 1: 名無しさん@おーぷん 20/01/05(日)14:25:41 ID:Xt0 あと一つは? 三毛別羆事件 https://ja.wikipedia.org/?curid=1002625 1915年(大正4年)12月9日から12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村大字力昼村三毛別で起きた事件。 体重340kg、体長2.7mのエゾヒグマが数度にわたり民家を襲い、7人もの死亡者を出した。 岡田更生館事件 https://ja.wikipedia.org/?curid=4011011 1946年(昭和21年)12月から1950年(昭和25年)まで存在した、岡山県吉備郡岡田村(現倉敷市真備町岡田)の浮浪者収容施設・県立岡田更生館で起きた監禁、暴行傷害、殺人事件。 犠牲者は開設から2年

                                                  三大Wikipedia事件記事「三毛別羆事件」、「岡田更生館事件」 : 哲学ニュースnwk
                                                • (一部修正)社会学者のすべてがおかしいわけじゃないって、それおかし

                                                  社会学者界隈が炎上している。 真面目に研究している人にとっては迷惑なことだと思う。 こんな状況で社会学を研究しているのはつらいという気持ちはよく分かる。 思うが、同時に、それは社会学の自業自得だとも言える。 だって、偽物が跳梁跋扈している現状は今に始まったことじゃない。 1990年頃から、学問としてはボロボロだったわけでしょ? それから20年経って、状況は改善したかと言ったら全くしてない。 2018年には、ナチスのわが闘争をもじったりしたバカ論文をフェミニズム論文誌に送ったら7本も通ったって第2ソーカル事件が起きて、何一つ状況は改善してなかった。 それら状況をきちんと学問界隈として総括したかと言えば、何もしてない。 偽物は社会運動に耽溺し、アカデミズムの看板で社会運動にうつつを抜かし、何一つ学問としての堕落は改善されていない。 学問でございって顔して、なんの根拠もなく世界中で他人を悪人扱い

                                                    (一部修正)社会学者のすべてがおかしいわけじゃないって、それおかし
                                                  • 新刊メモ: プラックローズ&リンゼイ『シニカルな理論たち』(Cynical Theories)

                                                    Helen Pluckrose & James A. Lindsay, Cynical Theories: How Activist Scholarship Made Everything about Race, Gender, and Identity—and Why This Harms Everybody. Pitchstone Publishing, 2020. [Kindle] 著者紹介によると,プラックローズは著作家で Areo Magazine ってやつの編集者だそうで,もともと人文学をやってたけれどそこから遠ざかったらしい.リンゼイは数学者 (Ph.D) で,New Discourse ってウェブサイトをやってる.この2人は,以前,ソーカル事件と似たトリックを仕掛けたメンバーでもある. 本文はこんな構成になってる: 序論第1章: ポストモダニズム:知識と権力の革命第2章:

                                                      新刊メモ: プラックローズ&リンゼイ『シニカルな理論たち』(Cynical Theories)
                                                    • プラックローズら「「社会正義」はいつも正しい」 書評 小谷野敦(読書人) - jun-jun1965の日記

                                                      少し前に、『現代思想』(青土社)が「ポストモダン」を擁護的に特集した際、謳い文句に「アカデミズムの外で詭弁に使われ」とあるのを見て私は「中で」の間違いじゃないかと思った。しかし日本のポモ思想は、何やら現代版禅仏教みたいになり、おとなしい草食動物みたいだと、本書を読むと感じる。本書の著者二人は、「第二のソーカル事件」とされる、ピーター・ボゴシアンの盟友で、ニ十本のポモ風インチキ論文を査読雑誌に投稿してうち七本が掲載されるという事件を起こし(なおこの論文のうち二本は本書の帯で紹介されているが、詳細な内容は本書内にはない)、そのためボゴシアンは勤務先の大学を辞職させられたが、その後、クイア理論をへたポモの「社会正義理論」の影響もあり、キャンセルカルチャーやマイクロアグレッション(些細な過去の発言をとりあげて叩くこと)、つまり「ポリコレ」と言われるアメリカでの知識人の内部抗争が激化したり、BLM運

                                                        プラックローズら「「社会正義」はいつも正しい」 書評 小谷野敦(読書人) - jun-jun1965の日記
                                                      • うーぼん on Twitter: "「フェミニズム版ソーカル事件(英:Sokal Squared/Grievance studies affair)」の公式ビデオ、かなり前に日本語字幕をつけておいたのだが、字幕承認までしばらく時間がかかっていたのですっかり忘れていた… https://t.co/X95ly4AaCA"

                                                        「フェミニズム版ソーカル事件(英:Sokal Squared/Grievance studies affair)」の公式ビデオ、かなり前に日本語字幕をつけておいたのだが、字幕承認までしばらく時間がかかっていたのですっかり忘れていた… https://t.co/X95ly4AaCA

                                                          うーぼん on Twitter: "「フェミニズム版ソーカル事件(英:Sokal Squared/Grievance studies affair)」の公式ビデオ、かなり前に日本語字幕をつけておいたのだが、字幕承認までしばらく時間がかかっていたのですっかり忘れていた… https://t.co/X95ly4AaCA"
                                                        • 「社会正義」が複雑骨折している欧米の思想状況を理解せよ!

                                                          日々刻々 橘玲 移り変わりの激しい世界の中でつい見逃しそうになる事件や経済、金融、社会問題などについて、作家・橘玲氏が鋭くメスを入れる。 バックナンバー一覧 東京五輪開幕式をめぐる辞任・解任騒動などで日本でも「キャンセルカルチャー」が注目されるようになった。これは、ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ:政治的正しさ)に反する言動をした者をSNSなどで糾弾し、公的な地位からキャンセル(排除)することをいう。 欧米では2010年代から過激化するようになり、しばしば社会問題になった。フェイスブックの創業が2004年、ツイッターの誕生が06年、iPhoneの発売が07年だから、この社会運動がテクノロジーの強い影響を受けていることは明らかだ。 キャンセルカルチャーは「社会正義」の運動で、たんに気に食わない相手を寄ってたかって叩くわけではない。それが「正義」を掲げる以上、なんらかの思想的・政治的正当性

                                                            「社会正義」が複雑骨折している欧米の思想状況を理解せよ!
                                                          • 読書日記416 - はてなブログ大学文学部

                                                            仲正昌樹『続・FOOL on the SNS -反ポストモダンに物申す-』明月堂書店 (2018年) を読む。 こちらの続編となっている。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本書を読むと、プロから見ると素人はどういう点において批評する能力がないのかが理解できる。 現代哲学では知覚や心について掘り下げる研究が行われている。 これらは認知科学や心理学に接近する学問となっている。 仲正氏によると、ポストモダン系の思想家が論じてきたものはあくまで「メタ」レベルのお話で、解釈に留まる。 直接科学に関する領域まで取り扱っているわけではないとされる。 素人はその細部について論じることができない。 ソーカル事件をきっかけに掲示板等、ネットを中心に展開された仲正氏への攻撃のように、そのソーカル事件の詳細・全容を把握せずにただ拾ってきた情報を鵜呑みにしているだけでは、自分の頭で考えたこと

                                                              読書日記416 - はてなブログ大学文学部
                                                            • Nature、常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回 | スラド サイエンス

                                                              Nature は 7 日、3 月に出版した窒素ドープ水素化ルテチウムにおける常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回した (Nature の記事、 The New York Times の記事、 Ars Technica の記事)。 今年は幻に終わった韓国の研究チームによる常温常圧の超電導物質 LK-99 が注目を集めたが、こちらの論文は昨年 9 月に Nature が撤回した常温超電導の論文と共通する研究者がかかわっていたこともあり、当初から懐疑的な見方が出ていたそうだ。 前回の論文では執筆者 9 人全員が撤回に反対したが、今回の論文は執筆者11人のうち 8 人が撤回を要請している。撤回を要請した執筆者によれば、研究に貢献した研究者として、出版された論文は研究した物質の由来や実施した実験の基準、適用したデータ処理手順を正確に反映していないのだという。両論文に執筆しているのは最終執筆者でロ

                                                              • 何で社会人文がしょっちゅう煽られるか、って言うと、ソーカル事件をきち..

                                                                何で社会人文がしょっちゅう煽られるか、って言うと、ソーカル事件をきちんと処理してないからだよ。 何かあるたびにあそこに戻る。スター哲学者やら思想家やらがホイホイのっかって騙されてほっかむり。 それに対して申し開きがあるわけでもなく「あれはなかったことに」じゃそりゃ舐められるしバカにされる。 あれはあれで間違っていた、というのを正面から受け止められないかぎり、ずっとずっと侮られ続けるだろうね。

                                                                  何で社会人文がしょっちゅう煽られるか、って言うと、ソーカル事件をきち..
                                                                • 経済学は人文科学なみに胡散臭いと思ってる

                                                                  人文科学界隈はソーカル事件で死んだけど、経済学もそれを笑えないと思ってる。 「デフレの真っ只中に行われる増税は景気に良いか悪いか」 「日本国債は現在の水準の海外保有比率でもデフォルトに陥りうるかどうか」 ↑ こんな 「これに科学的な答え出せないならもう学問の看板おろせよ」 って程度の議題ですら一流学者同士が真っ向から意見を対立させて喧喧囂囂やり合っている。 こんなのまともな学問じゃねえよ。 同僚や上司が無能社員に「お前マジでなんならできるんだよ……」と呆れ果ててるときの感じに近い。 経済学さあ、お前マジでどんな問に対してなら自信もって正解出せるんだよ。 「モケーレムベンベが実在するかどうか」 で生物学者が意見対立して激しく論争するのはまさに学問だと思うけど、経済学に関しては酷すぎる。

                                                                    経済学は人文科学なみに胡散臭いと思ってる
                                                                  • ブロックチェーンで変える僕たちの「自由」と「平等」。落合渉悟 × 星暁雄 | あたらしい経済

                                                                    ブロックチェーンエンジニアの落合渉悟氏の初の著書『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』が上梓された。web3関連の出版が相次ぐ中、異色の存在感を放つ本書は、DAO(自立分散型組織)が世界を再構築できるのかについて、思考を巡らせた1冊になっている。書籍の中で落合氏が現在開発を進めているDAO作成プロトコル「Alga(アルガ)」についても紹介されている。 「あたらしい経済」は本書の出版を記念して書籍の中に収録された落合氏と3人の有識者の対談パートの一部を「試し読み」として公開する(全3回)。 今回はITジャーナリスト星暁雄氏との対談『ブロックチェーンで変える僕たちの「自由」と「平等」。』の一部を公開する。 ぜひこの記事で書籍の魅力にふれ、本書を手にとっていただきたい。 自由と平等は技術で追求した その結果、権力の集中が起きた 落合(以下:O):対談の最後を飾るゲストはITジャー

                                                                      ブロックチェーンで変える僕たちの「自由」と「平等」。落合渉悟 × 星暁雄 | あたらしい経済
                                                                    • 【ネタバレ解禁】「虚実」をいかに問うか? 〜 『広告』虚実特集号の仕掛けの全容と全経緯|雑誌『広告』

                                                                      3月1日に『広告』虚実特集号が発売されてから1カ月と少しが経ちました。 みなさんが今回、『広告』虚実特集号を知ったきっかけは何でしたか? 編集部のnoteやSNS、メディアの紹介記事、書店やAmazonのサイト……いろんな入り口がありましたが、「店頭で初めて見た」という方以外は、『広告』虚実特集号の装丁はこの写真のイメージだったと思います。 『広告』虚実特集号の書影(撮影:伊丹豪) そして、もしこの写真のイメージを持ったまま実際の雑誌を手に取ったのであれば、「思っていたものと違った」と感じたのではないでしょうか。 『広告』では2019年のリニューアル以降、雑誌を知ったり、手に取ったりする段階から特集について考えるきっかけをつくろうと装丁や販売方法などに様々な工夫をしてきました。 「価値」を特集したリニューアル創刊号では、全680ページの分厚い雑誌を1円(税込)で販売。価値と価格の非対称性を

                                                                        【ネタバレ解禁】「虚実」をいかに問うか? 〜 『広告』虚実特集号の仕掛けの全容と全経緯|雑誌『広告』
                                                                      1