2014年ソチ五輪のフラワーセレモニーで笑顔を見せる左から銀メダルのパトリック・チャン、金メダルの羽生結弦、銅メダルのデニス・テン(古厩正樹撮影) 「それはねえだろ、お前」。温厚な羽生結弦選手(21)=ANA=をこういって激怒させたデニス・テン選手(22)=カザフスタン=とはどんな選手なんだろうか。 ボストンで開催されているフィギュアスケートの世界選手権第1日の3月30日、男子ショートプログラム(SP)は羽生選手が自身の世界歴代最高記録に0・39点と迫る110・56点でトップに立った。 事件は本番前の練習中に起こった。自身の曲をかけて練習中の羽生選手の進路にテン選手が入り、冒頭の怒りの叫び。直後のジャンプで転倒すると羽生選手は壁を激しくたたいた。 「たぶん故意だと思う…」実は前日の29日の練習でも、2人は進路が重なる場面があった。過去にも同様のケースがあったといい、SP終了後に羽生選手は「