現行EVの電動アクスルでは、小型化や高出力化といったニーズに対応するため、出力密度が比較的高い永久磁石式同期モーター(Permanent Magnet Synchronous Motor、PMSM)を使うものが多い。PMSMはローター(回転子)にネオジム(Nd)磁石を使う。Nd磁石は軽希土類のNdのほか、高温環境下での保磁力を高めるためにジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)といった重希土類を添加するのが一般的だ。 ただ、こうした希土類(レアアース)は生産が中国に集中し、調達難や価格高騰の懸念がある。米U.S. Geological Survey(地質調査所)によると、2023年における中国のレアアース生産量は世界全体の7割弱を占めた。 レアアースに付随する地政学リスクを踏まえ、ニデックが開発を進めるのがIMを使った電動アクスルだ。ただ、IMはレアアースを使用しないが、PMSMに比べ出