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井手英策の検索結果1 - 40 件 / 69件

  • 「所得格差大きすぎる」が約70% 20年前より増 NHK世論調査 | NHKニュース

    日本では、所得格差が大きすぎると思っている人は20年前より増加し、全体の70%近くに上ることがNHKの世論調査で分かりました。専門家は「新型コロナウイルスによる経済危機に不安が高まる中、低所得層の人たちに十分な財政支援が必要だ」と指摘しています。 今回は去年11月に、全国の18歳以上の男女2400人を対象に配付回収法で調査を行い、61.5%に当たる1476人から回答を得ました。 このうち「日本では所得格差は大きすぎると思うかどうか」と聞いたところ、「どちらかといえば」を含めて「そう思う」と答えた人は20年前より5ポイント増えて69%でした。 雇用形態別には、 ▽正規雇用の人で「どちらかといえば」を含めて「そう思う」と答えたのは66%でしたが、 ▽非正規雇用の人の場合は79%に上り、13ポイント高くなりました。 一方で「所得の格差を縮めるための最近の政府の取り組みはどのくらいうまくいっている

      「所得格差大きすぎる」が約70% 20年前より増 NHK世論調査 | NHKニュース
    • 「消費税16%」で教育・医療・介護・障害者福祉がタダになると言われたら、あなたはどう思いますか?

      いで・えいさく/慶應義塾大学経済学部教授。1972年生まれ。東京大学卒、東大大学院で博士号取得。横浜国立大助教授を経て2013年4月から現職。専門は財政社会学。財源論から目を背けず、リベラルな立場からの提言をしている。ベーシックサービスの提言者。著書に「どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?」「幸福の増税論」「経済の時代の終焉」ほか多数。 ニュースな本 ビジネス・経済から、エンタメに教育、政治まで…。世の中には山のように書籍が存在する。その中から「読んでためになる」「成長できる」「思わずうなる」ような書籍を厳選し、その一部をお届けする連載。話題の新刊から埋もれた名著まで、きっと素敵な発見があるはずだ。気になる書籍があれば、ぜひ元の書籍を読んでほしい。 バックナンバー一覧 ムダが多ければ多いほど、税の負担は増えていく。子どもたちに、自分たちが決めてもいない負担を押しつけるのは公正ではな

        「消費税16%」で教育・医療・介護・障害者福祉がタダになると言われたら、あなたはどう思いますか?
      • 「富山は日本のスウェーデン」説に、富山住み40歳女性が抱いた違和感(藤井 聡子) @gendai_biz

        私の前に立ちふさがった「富山らしい」共同体 2018年夏頃、我が富山の書店には軒並み、『富山は日本のスウェーデン』という新書が平積みにされていた。著者は経済学者・財政学者の井手英策氏。富山でトップシェアを占める地方紙、北日本新聞をはじめ様々なメディアでも紹介された。気になったので買って読んでみたが、その中身はタイトルと同じく「ピンとこない」の連続だった。 1960年以来、不動の持ち家率全国1位(国勢調査)である富山は、女性の就労率が高く、勤労者世帯の実収入も4位であると井手氏は指摘する。三世代同居で子育てしやすく、地域の包括ケアシステムも充実。自民党一強の保守王国ながら、社会民主主義のスウェーデンのような相互扶助があり、老若男女が「住みやすい県」とのこと。 しかもそれは、家族または地域の共同体による、助け合いの精神が富山の豊かさを支えている、と結論付けていた。しかし富山で18歳までを過ごし

          「富山は日本のスウェーデン」説に、富山住み40歳女性が抱いた違和感(藤井 聡子) @gendai_biz
        • アンチが騒ぐ前にリベラル派が騒いで潰した人権擁護法案 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

          朝日のこの記事に、 https://www.asahi.com/articles/DA3S15344730.html(あらゆる差別禁止、法律化求める動き 「包括法」欧州各国で制定進む) おきさやかさんがこうつぶやいているんですが、 https://twitter.com/okisayaka/status/1544266020172341248 欧州だけでなく韓国も導入してたような。日本は2000年代にアンチが騒いで頓挫した 歴史的事実を正確に言うと、右派のアンチ人権派が騒ぐより前に、本来なら人権擁護を主張すべきリベラル派が報道の自由を侵すと騒いで潰したんですよ。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-0347.html(人種差別撤廃条約と雇用労働関係) ・・・・実は、2002年に当時の小泉内閣から国会に提出された人権擁

            アンチが騒ぐ前にリベラル派が騒いで潰した人権擁護法案 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
          • 2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな

            2010年代になって自分の読書傾向は、完全に哲学・思想、心理、社会、歴史といった人文科学から政治、経済などの社会科学に移りました。その中でいろいろな面白い本に出会うことができたわけですが、基本的に社会科学の本、特に専門書はあまり知られていないと思います。 人文科学の本は紀伊國屋じんぶん大賞など、いろいろと注目される機会はあるのに対して、社会科学の本はそういったものがないのを残念に思っていました。もちろん、いい本は専門家の間で評価されているわけですが、サントリー学芸賞などのいくつかの賞を除けば、そういった評価が一般の人に知られる機会はあまりないのではないかと思います。 そこで社会科学の本の面白さを広めようとして書き始めたこのエントリーですが、最初にいくつか言い訳をします。 まず、「社会科学の本」と大きく出たものの、法学や経営学の本はほぼ読んでいませんし、以下にあげた本を見てもわかるように社会

              2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな
            • 月7万円で「生活保護廃止」 竹中平蔵氏が提唱するベーシックインカムは何が問題か?(今野晴貴) - エキスパート - Yahoo!ニュース

              東洋大学教授・パソナグループ取締役会長である竹中平蔵氏のベーシックインカム(以下、BI)をめぐる発言が波紋を呼んでいる。 注目を集めているのは9月23日に放送されたBS-TBSの「報道1930」での同氏による提案だ。竹中氏はこの番組の中で、「毎月7万円のベーシックインカム」を導入することで「生活保護が不要になり、年金もいらなくなる。それらを財源に」と大胆な提案を行った。これをきっかけに、BIをめぐる論争が再燃している。 あまり深く考えなければ、無条件に毎月7万円の給付が得られることは、喜ばしいことに感じられるかもしれない。しかし、この魅力のなかには、「BIの罠」とでも呼ぶべき誤解が潜んでいる。BIは、文脈によっては、より不安定で過酷な労働に人びとを駆り立てる可能性もあるのだ。 本記事で、BIについての基本的な解説をしたうえで、竹中氏が提案するBIが、働く人びとにとってどのような意味をもつの

                月7万円で「生活保護廃止」 竹中平蔵氏が提唱するベーシックインカムは何が問題か?(今野晴貴) - エキスパート - Yahoo!ニュース
              • 『風俗に福祉が負けない社会』へ 孤立化するシングルマザーが社会に寄り添える“接着剤”を 「悲劇を繰り返さない」大田区女児放置死事件の教訓|FNNプライムオンライン

                幼い子どもが放置され死亡する痛ましい事件が、相次いで起こっている。 こうした事件が起こる度に、メディアは「社会のあり方や子どもを守る仕組み作りを考えないといけない」と訴える。悲劇を繰り返さないための仕組みとは何か検証する。 「男に狂っていた」加害者報道の行き着く先は 3歳の娘、稀華(のあ)ちゃんに十分な食事を与えず餓死させた疑いで、母親の梯沙希(かけはしさき)容疑者(24)が7月7日に逮捕された。梯容疑者は6月に知人の男性に会うために鹿児島へ出かけ、8日もの間、稀華ちゃんを東京・大田区の自宅に放置していた。 7月24日、筆者は事件現場となった大田区にある梯親子の自宅前を訪れた。ベランダの外には亡くなった稀華ちゃんに花束が供えられていたが、事件発覚直後に置かれたのか、すでに枯れ始めていた。 梯親子の自宅だった現場の前には花束が供えられていた この記事の画像(7枚) 逮捕後メディアは一斉に、梯

                  『風俗に福祉が負けない社会』へ 孤立化するシングルマザーが社会に寄り添える“接着剤”を 「悲劇を繰り返さない」大田区女児放置死事件の教訓|FNNプライムオンライン
                • 日本には「ベーシック・インカム」より「ベーシック・サービス」政策が必要かもしれない(井手 英策,佐々木 実,関 良基) @gendai_biz

                  コロナ禍で経済的な困窮が目立つなか「ベーシック・インカム」導入に関する議論が盛んになっている。しかし、このラディカルな政策には落とし穴があるのではないか。さらに、じつは「ベーシック・インカム」ではなく「ベーシック・サービス」のほうが効果的に人々を救うことができるのではないか——経済をめぐる一大トピックを、慶應義塾大学教授の井手英策氏、拓殖大学教授の関良基氏、ジャーナリストの佐々木実氏が語った。 盛り上がるベーシック・インカムの議論 佐々木 コロナ禍で困窮世帯が増え、経済的な格差はより一層広がっています。今秋にはデジタル庁が創設されますが、ポスト・コロナを展望するうえでは、劇的に進むデジタル化、AI化の影響も見逃せません。将来消滅する仕事のリストがメディアで報じられたりもしていますが、社会のセーフティネットをどう再構築するかが差し迫った課題となっています。 そんななか、「ベーシック・インカム

                    日本には「ベーシック・インカム」より「ベーシック・サービス」政策が必要かもしれない(井手 英策,佐々木 実,関 良基) @gendai_biz
                  • 衰退する日本 野党の責任も重い | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                    衰退に向かう日本のような国では、野党の責任も重い。 安倍政権が分断の政治をしたというが、野党も踏み絵を踏ませている。原発に反対か、消費増税に反対か、憲法改正に反対か、次々と「反対の踏み絵」を踏ませて全部踏まないと仲間と認めない。「正義の線」を引くことに酔いしれ、その結果、味方は減る一方だ。 「野党共闘」と言ってまるで立憲民主党と共産党が一蓮托生(いちれんたくしょう)であるかのような印象を国民に与え、「反対の線」で可能な限り政策をそろえようとする。ならば一つの党を作ったほうが早いのであって、各党の独立を前提とした共闘からはそれ、違いが分かりにくくなる。 実際、立憲民主党の中でも消費減税に対して否定的な声は相当あったが、共闘が優先され、そうした声は押しつぶされた。野党共闘などと力まず、淡々と選挙区調整をやればいいだけのことではなかったのか。 「私たちの理念」が欠けている 「格差是正」はいまだに

                      衰退する日本 野党の責任も重い | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」
                    • 日本の経済に関する論争を「緊縮v.s.拡大/自由市場v.s.社会福祉」の観点からまとめてみる - あままこのブログ

                      どうも、マクロ経済学、大学時代に授業を受けようとしたんですけど、教科書として指定された マンキュー経済学Ⅱ マクロ編(第4版) 作者:N・グレゴリー・マンキュー発売日: 2020/04/21メディア: Kindle版をパラパラっとめくって、数式とかがズラズラ出てくるのにうんざりし、履修をあきらめたあままこです。 前書き―なんで経済オンチの自分がこんな記事を書くのか愚痴る さて、そんな僕ですが、まあ一応経済には関心があって、色々記事も書いてきた amamako.hateblo.jp amamako.hateblo.jp わけですが、そもそも今日本の経済ってどんな状況なのか、どんな前提の元、どんな政策を取ればどんな効果がでるのか、全然わからずに経済について考えるのは流石に無理があるわけです。 というわけで、色々日本の経済に関する本を読んでみたわけですが……これがほんと論者によって見解が全然異な

                        日本の経済に関する論争を「緊縮v.s.拡大/自由市場v.s.社会福祉」の観点からまとめてみる - あままこのブログ
                      • 愚直なほどまっすぐな小川議員が好き &国のリーダーのこと 問われているのは… - ベルギーの密かな愉しみ

                        ドキュメンタリ『なぜ君は総理大臣になれないのか』 衆議院議員の小川淳也氏の17年間に密着したドキュメンタリhttp://nazekimi.comを見たので簡単にメモっておく。(レビューではないので念のため) 小川議員はもと総務省官僚で、32歳で「社会を良くしたい」「自らトップに立って国の舵取りをしたい」と高松市から立候補した人。その後の奮闘17年間が映画で描かれる。 小川議員と言えば国会での質疑のうまさのみならず、人間味あふれる話力、本物の知性を備えた人物だ。去年くらいから知名度と期待値が上がってきていた。遅ればせながら私も今年の2月頃知って、山添議員、田村智子議員など優れた若手が少なからずいるんだなと注目していた。自民&官僚などの答弁とは鮮やかなコントラストを成し、上質の話術を聞く喜びを視聴者に与えてくれる。(語弊があることを承知の上あえて「上質」な人間と呼びたい) しかし民主&希望の党

                          愚直なほどまっすぐな小川議員が好き &国のリーダーのこと 問われているのは… - ベルギーの密かな愉しみ
                        • 井手英策氏 10万円給付 消えた「子どもの生存保障」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

                          慶應義塾大教授の井手英策氏は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。18歳以下の子どもを対象とする計10万円相当の給付に所得制限がつけられたことについて「大きな過ちだった」と語った。 公明党が衆院選で提案した「未来応援給付」は「0歳から高校3年生まで1人一律10万円相当を支援する」としていたが、自民党との折衝で年収960万円未満(夫婦と子ども2人の場合)の所得制限が加えられた。 井手氏は「第一に、所得制限を入れた瞬間に、すべての子どもたちの生存保障という理念は崩壊する。年収960万円以上は富裕層だ。このような高い水準で線を引いてしまえば、貧困対策とは言えなくなる。保障でもない。貧困対策でもない」と言う。 「第二に、世帯合算ではなく、主たる家計支持者の年収が所得基準となった。一人が970万円稼いでいる世帯は受給できず、夫婦それぞれが年収950万円、世帯合算で1900万円の場合は受給できるのはおかしい

                            井手英策氏 10万円給付 消えた「子どもの生存保障」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
                          • aaaplaceのブックマーク - はてなブックマーク

                            ムダが多ければ多いほど、税の負担は増えていく。子どもたちに、自分たちが決めてもいない負担を押しつけるのは公正ではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA 教育費・医療費・介護費・障がい者福祉がタダ、そんな社会を実現する「ベーシックサービス」という考え方が広がっています。提唱者である井手英策・慶應義塾大学経済学部教授は、ベーシックサービスと税の話は切っては切れない関係にあると指摘します。こうしたサービスの無償化には、一体どれほどのお金がかかるのでしょうか? 井手教授の著書『ベーシックサービス 「貯蓄ゼロでも不安ゼロ」の社会』(小学館新書)から抜粋・編集してお届けします。 【この記事の画像を見る】 ● 《貯蓄ゼロでも不安ゼロ》の社会 ベーシックサービスの無償化、つまり、医療、介護、教育、障がい者福祉の自己負担をなくすためには、どれくらいのお金がかかるのでしょうか。 ここが一番みなさん

                            • 橋下徹氏「生活に困っていない人は10万円受け取るな」の危険性 誤った正義感と弱者救済が失敗する理由(藤田孝典) - 個人 - Yahoo!ニュース

                              橋下徹氏「生活に困っていない人は10万円受け取るな」4月22日の配信記事では橋下徹氏の発言の何が問題なのか指摘している。 橋下徹氏「給料、ボーナスが減らない人に給付する必要なし」対立や敵対心を煽らず、もう静かにしてほしい 橋下氏はまだ静かにしていないようだ。今日もTwitterで吠えている。 「一部の業種の人たちには生活を奪う営業停止を強力にお願いする。それなら、なんで生活に困っていない人に10万円は受け取るな、くらいのお願いができないの。日本の政治は「全国民一致団結しよう」「国民を分断するな」なんていう美談に腰砕けになった。」 政治家や公務員、生活保護受給世帯など、収入が減っていない、困っていない人が10万円を受け取ることがどうしても許せないそうだ。 「生活に困っていない人」という定義も毎回不十分で、どこから突っ込めばいいのか悩ましいが、とにかく一律給付は嫌で嫌で仕方がないらしい。 「全

                                橋下徹氏「生活に困っていない人は10万円受け取るな」の危険性 誤った正義感と弱者救済が失敗する理由(藤田孝典) - 個人 - Yahoo!ニュース
                              • 特集ワイド:この国はどこへ コロナの時代に 財政社会学が専門 慶応大教授・井手英策さん 49歳 弱者生まない社会に | 毎日新聞

                                東京オリンピック・パラリンピック開幕を2週間後に控える中、またもや急激な新型コロナウイルスの感染拡大で、第5波到来の懸念が深まる。1年半続くコロナ禍は、これまで日本社会が抱え続けた問題を可視化した――。そう訴える財政社会学が専門の慶応大教授、井手英策さん(49)の話を聞きに神奈川県小田原市の自宅を訪ねると、多数の本に囲まれた書斎で、その見えてきたものを語り出した。 「この国はこれまで残念ながら、危機に弱い社会をつくってきた。セーフティーネットや生活保障の機能が非常に脆弱(ぜいじゃく)で、コロナみたいなことが起こると、一部の人だけではなく、多くの人が困難に陥る社会なんです」 コロナ禍が浮き彫りにした人々の暮らしの行き詰まり。生活保護の2020年度の申請は22万8081件(速報値)で、リーマン・ショック後の09年度以来の増加に転じた。受給世帯は64歳以下の現役世代が増えており、働く人たちの生活

                                  特集ワイド:この国はどこへ コロナの時代に 財政社会学が専門 慶応大教授・井手英策さん 49歳 弱者生まない社会に | 毎日新聞
                                • 現金給付はなぜ、繰り返されるのか 「5000円給付」の裏にあるもの | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                  「年金生活者臨時特別給付金」が物議をかもしている。年金受給者に一律5000円を給付する与党の提案だが、方々から批判の声があがり、撤回か、増額か、あるいは給付対象の拡大か、議論は迷走している。 与党は、受給額が0.4%減らされる年金生活者への救済だと説明する。一方、野党は「露骨な参院選対策」「たった5000円ではバラマキにもならない」と非難する。メディアでも、安定した生活資金のある年金受給者より、貧しい労働者を優先すべきだ、と疑問の声があがる。 原油価格の高騰、コロナ禍の流通機構の混乱、ロシアのウクライナ侵攻などによって、物価が上昇している。年金生活者の暮らしが厳しさを増しているのは事実だ。 だが、批判者が言うように、物価高に苦しんでいるのは年金生活者だけではない。それに、多額の予備費を計上し、その時々の判断で自由に政治利用できるとするならば、それは民主主義を骨抜きにする行為である。 サービ

                                    現金給付はなぜ、繰り返されるのか 「5000円給付」の裏にあるもの | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」
                                  • ベーシックインカム入門 :コロナがもたらす「大失業時代」はベーシックインカムで乗り切れ=市川明代 | 週刊エコノミスト Online

                                    <もう働かなくても大丈夫? ベーシックインカム入門> 「ベーシックインカム」(BI)の議論が今、日本で盛り上がっている。政府がすべての人に必要最低限の生活ができる収入を無条件で給付する構想で、誰しもが働かなくても食べていける「夢」のような制度だ。経済学者や社会学者らの間で提唱されていたが、大きな議論に発展するきっかけとなったのが、今年に入って猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大と、新型コロナ対策として政府が実施した一律10万円の特別定額給付金だ。(ベーシックインカム入門) 新型コロナの感染拡大は、日本だけでなく世界的に人の移動を制約し、外食・旅行などの需要を一気に“蒸発”させた。あまりに多くの人が仕事を失う事態に直面し、政府は減収世帯を対象に30万円を給付する方針を一転。国内に住むすべての人を対象として、一律10万円の給付という前例のない措置に踏み切った。支援が必要な人を選別して給付

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                                    • 枝野幸男よ、このいちばん「大事なとき」に君は何をやっているのか(週刊現代) @gendai_biz

                                      甘えるんじゃない 「菅政権の失敗で風が吹き始めている。ここで一気に政権を取らないといけません。もう次の機会はないんですから、『良い負け方をして次につなげる』というような考えではダメです」(慶應義塾大学教授の井手英策氏) 「政策論議もいいけど、『俺がコロナ禍を何とかする』と、表に出て決意を示すべきです。菅政権がズタボロな状況で総選挙に勝てなければ、彼の政治生命は終わりますよ」(法政大学教授の山口二郎氏) これまで政策立案などで様々な助言をしてきた2人が発破をかけるのは、立憲民主党の枝野幸男代表(57歳)である。 10月までに行われる見込みの解散総選挙では、自民党がどの程度議席を減らし、野党第1党の立憲民主党がどれほど議席を伸ばすかが注目される。 菅政権の支持率は26%と最低を更新した(毎日・8月28日付)。第2次安倍政権で最も低かった'17年7月の支持率と並んだという。 枝野が「十分に政権が

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                                      • 与野党で重なる財政政策、成長至上主義から脱却を | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                        記者会見で「経済政策」についての政策発表をする立憲民主党の枝野幸男代表=国会内で2021年9月27日、竹内幹撮影 驚くべき偶然なのか。それともただの思考停止か。立憲民主党が「分配なくして成長なし! みんなを幸せにする経済政策」と銘打った政権政策を発表した。妙に既視感があった。それもそのはず、岸田文雄氏が総裁選で訴えた「成長と分配の好循環」のなかにもこう書いてある――分配なくして次の成長なし、と。 「一致」の背景 与野党が同じキャッチフレーズを掲げるとは、悪いジョークのようだ。分配政策、生活保障は、リベラル勢力の十八番だ。枝野幸男氏も納得がいかなかったのだろう。自民党は立憲民主党の政策を「全然パクれてない」と言い切った。 だが、この奇妙な「一致」の背景には、模倣の是非に止まらない、思想的な限界が見え隠れしている。 立憲民主党は「アベノミクスとの対決」を、岸田氏も「新自由主義からの転換」を訴え

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                                        • お金がなくても、病気になっても、安心して暮らせる社会へ――「ベーシックサービス」とは何か?(週プレNEWS) - Yahoo!ニュース

                                          『欲望の経済を終わらせる』(インターナショナル新書)の著者で、財政学者の井手英策氏。ベーシックインカムとは異なり、医療、介護、教育などのサービスを直接給付する「ベーシックサービス」を提案している 日本の勤労者の収入がピークを迎えた1997年以降、格差は拡大し、世帯所得300万円未満が33.6%、400万円未満では47.2%を占めている(平成30年国民生活基礎調査)。 経済不安や老後不安が高まる中で、「今こそ経済成長に依存しない社会へと舵を切るべきだ」と説くのは慶應大学経済学部教授の井手英策氏だ。新刊『欲望の経済を終わらせる』(インターナショナル新書)では新自由主義を徹底的に検証・批判し、「悪魔のように嫌われても」消費税増税による「ベーシックサービス」の提供を提案している。井手氏が描く社会像とは――。 * * * ──まず、新型コロナウイルス関連の政策についてお聞きします。政府は現金10万円

                                            お金がなくても、病気になっても、安心して暮らせる社会へ――「ベーシックサービス」とは何か?(週プレNEWS) - Yahoo!ニュース
                                          • TOMOYA🚲事業家、趣味&副業で配達員 on Twitter: "明石順平や井手英策といったリベラルの知識人たちは「税金は支えあいのためにある」とよく言うけど、その支え合いは別に税でなくてもいいよね。 医療や介護に現場で一所懸命働くでもいいし、物流ドライバーとして国民に物資を届けるでもいい。 農… https://t.co/ngef1PVVGY"

                                            明石順平や井手英策といったリベラルの知識人たちは「税金は支えあいのためにある」とよく言うけど、その支え合いは別に税でなくてもいいよね。 医療や介護に現場で一所懸命働くでもいいし、物流ドライバーとして国民に物資を届けるでもいい。 農… https://t.co/ngef1PVVGY

                                              TOMOYA🚲事業家、趣味&副業で配達員 on Twitter: "明石順平や井手英策といったリベラルの知識人たちは「税金は支えあいのためにある」とよく言うけど、その支え合いは別に税でなくてもいいよね。 医療や介護に現場で一所懸命働くでもいいし、物流ドライバーとして国民に物資を届けるでもいい。 農… https://t.co/ngef1PVVGY"
                                            • 今だからこそ『なぜ君は総理大臣になれないのか』を見る - 関内関外日記

                                              なぜ君は総理大臣になれないのか [DVD] 小川淳也 Amazon さきの衆議院選挙、小選挙区で平井卓也を打ち破った小川淳也議員のドキュメンタリー映画。監督は大島渚の息子である大島新。「NONFIX」や「ザ・ノンフィクション」、「情熱大陸」も手掛けてきたという監督だ。 メーンになるのは民進党分裂から希望の党になったさいの選挙になるだろうか。そのとき、そのときはなんとなく流れをわかっているつもりでも、あらためて見返すと、ぜんぜん覚えていないな、と思った。 渦中にあった小川議員にとっては、そうとうな決断であったろう。希望の党のボスである小池百合子に対して、「打倒小池」とすら言っている。そして、「無所属がかっこいいですよね」とも。 そうなった理由、小川が前原誠司の側近であったからというが、そのあたりの事情がもっと知りたいな、と思った。ある政治家が、別の政治家の「側近」であるとはどのようなことか。

                                                今だからこそ『なぜ君は総理大臣になれないのか』を見る - 関内関外日記
                                              • 安心して働ける社会をどうつくるか ベーシックサービスという革命/神津里季生・井手英策対談 - 吉田貴文|論座アーカイブ

                                                安心して働ける社会をどうつくるか ベーシックサービスという革命/神津里季生・井手英策対談 成長を前提にしない社会ビジョン、労組のあり方、岸田政権、野党……語り尽くす 吉田貴文 論座編集部 先行きへの不安が、日本中に広がっています。新型コロナ感染症はもとより、経済、高齢化、格差拡大などがどうなるのか、懸念は強まるばかりです。様々なことが絡まり合ったこうした不安の連鎖から、私たちはどうすれば抜け出せるのか。連合会長としての6年間、「働くことを軸とする安心社会」の実現を目ざしてきた神津里季生さんと、安心して生きられる社会をつくるため「ベーシックサービス」を提唱する井手英策さんとで語り合います。政治、経済、社会から労働組合のあり方まで、幅の広い議論をぜひ、お読みください。(司会・構成/論座編集部・吉田貴文) 井手英策(いで・えいさく) 財政社会学者 慶応大学教授 1972年、福岡県生まれ。東京大学

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                                                • 賃上げ与党に減税野党という構図でいいのかね?日経版 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                                  先日、「賃上げ与党に減税野党という構図でいいのかね?」というエントリを書いたところですが、 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-cc06c4.html 本ブログでも何回も取り上げてきたし、最近は論壇でも頻繁に論じられるように、欧米の左派が労働や貧困といったソーシャルイッシューから人種や性別、LGBTといったアイデンティティポリティクスに傾斜し、その結果右派ポピュリズムの興隆を招いたというのは、日本でも似たような状況が展開してきたのは事実。で、そこんところに着目して「リベサヨ」というペジョラティブな用語を使う向きもある。というか、私自身も時に使ったりもする。ただまあ、いまでは偉大なピケティの作り出した「バラモン左翼」という用語法が普遍的になりつつあるようだが。 でも、そういう先進国共通の「リベサヨ」現象とはかなり異なる

                                                    賃上げ与党に減税野党という構図でいいのかね?日経版 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                                  • 盛り上がる「ベーシック・インカム」政策、その「大きな落とし穴」に気づいていますか?(井手 英策,関 良基,佐々木 実) @gendai_biz

                                                    コロナ禍で経済的な困窮が目立つなか「ベーシック・インカム」導入に関する議論が盛んになっている。しかし、このラディカルな政策には落とし穴があるのではないか。さらに、じつは「ベーシック・インカム」ではなく「ベーシック・サービス」のほうが効果的に人々を救うことができるのではないか——経済をめぐる一大トピックを、慶應義塾大学教授の井手英策氏、拓殖大学教授の関良基氏、ジャーナリストの佐々木実氏が語った。 ベーシック・サービスの優れた点 佐々木 井手先生に改めてうかがいたいのですが、福祉制度としてベーシック・サービスとベーシック・インカムを比べたとき、そもそもどのような違いがあるのでしょうか。 井手 どちらにも共通して優れているのは「ベーシック」な点。つまり、すべての人に給付するという普遍主義ですね。特定の低所得者層や働けない人にだけ給付する選別主義的な政策には問題があるからです。貧しい人にだけ給付し

                                                      盛り上がる「ベーシック・インカム」政策、その「大きな落とし穴」に気づいていますか?(井手 英策,関 良基,佐々木 実) @gendai_biz
                                                    • エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな

                                                      ピケティの共同研究者でもあるサエズとズックマンのこの本は、格差の原因を探るのではなく、格差を是正するための税制を探る内容になっています。序のタイトルが「民主的な税制を再建する」となっていますが、このタイトルがまさに本書の内容を示していると言えるでしょう。 富裕層への最高税率が引き下げられたこと、法人税が引き下げられたことなどが格差の拡大に寄与しているということは多くの人が感じていることだと思いますが、同時に、富裕層への最高税率が引き上げられたら富裕層が海外へ逃げてしまう、法人税を引き上げたら企業が海外に逃げてします、経済成長にブレーキが掛かってしまうという考えも広がっています。そして、こうしたことを考えると結局は消費税(付加価値税)をあげていくしかないという議論の見られます。 こうした考えに対して、本書は富裕層や企業からもっと税金を取るべきであり、それは可能であるという主張をしています。

                                                        エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな
                                                      • 「パヨク」「売国奴」と罵られても僕は消費税の話をやめない 井手英策・慶大教授が特別寄稿(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース

                                                        税の使いみちを通して、「弱者を生まない社会をつくる」「社会を語ろう、社会を変えよう、身近を革命しよう」と無骨なまでに私たちに迫る学者がいる。慶應義塾大学経済学部教授の井手英策さんだ。彼の提言のベースにあるのは消費税だ。だからずっと批判にさらされてきた。それでも主張を曲げず発言を続ける彼の本意はどこにあるのだろう?  衆議院選挙を控え、最新刊『どうせ社会は変えられないなんてだれが言った? ベーシックサービスという革命』を執筆した動機と合わせて井手氏が寄稿した。 この記事のその他の写真 複数政党が関心を寄せる「ベーシックサービス」が生まれた背景  30年近く昔のことだ。大学の授業料の「免除申請」がダメだった。電話で話せなかった僕は、帰省のタイミングを見はからって、母にその事実を告げた。強気でならしてきた母だったが、途方に暮れたような表情を見せた。目は涙でうるんでいた。 僕は母子家庭に生まれた。

                                                          「パヨク」「売国奴」と罵られても僕は消費税の話をやめない 井手英策・慶大教授が特別寄稿(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース
                                                        • 映画『サンダーロード』と『なぜ君は総理大臣になれないのか』 - 特別な1日

                                                          ああ、もう6月も終わり、1年も半分過ぎてしまいました。 週末、3か月ぶりに有楽町へ行きましたが、人は多かった~。普段の8,9割くらいの水準には戻っている。そりゃあ、感染も増えるわけです。 これでも出ない「東京アラート」。ならばあれは一体なんだったのか? https://t.co/R6ChUkrXqa— 清水 潔 (@NOSUKE0607) 2020年6月28日 有楽町も昨年 慶楽(スープチャーハン)が閉店、今回のコロナで松本清張の作品にも出てくるレバンテ(カキフライ)が無くなり、段々行く店がなくなってきました。これらの店は創業50年以上、そう簡単に代わりがあるわけではありません。 こういうこと↓も含めて、今 まともな文化がどんどん失われていっています。文化を大事にしない、これが日本人の民度です。 あまりにも残念。楽器の職人さん達はどうなってしまうのか。日本の伝統芸能にも大きな危機。日本の文

                                                            映画『サンダーロード』と『なぜ君は総理大臣になれないのか』 - 特別な1日  
                                                          • 「経済成長」「自己責任」にこだわるなら「スガノミクス」は失敗する(伊藤 博敏) @gendai_biz

                                                            アベノミクスからスガノミクスへ デジタル庁創設、携帯電話料金値下げ、不妊治療助成、地銀再編――。 菅義偉首相が、矢継ぎ早の改革を打ち出している。7年8カ月もの間、官房長官として安倍晋三前首相に仕え、その間、準備してきた政策を前面に押し出し、新政権の“やる気”をアピールしている。 アベノミクスからスガノミクスへ――。 ただ、明確な差異は見当たらず、正体がまだ見えない。コロナ禍のなか、金融緩和と財政出動という主軸を動かせない以上、成長戦略を担う個別案件で勝負するしかない。その成果が出るには時間がかかるが、現段階でスガノミクスをどう評価すればいいか。 井手英策・慶応大学教授は、話題となった『幸福の増税論』から最新刊の『欲望の経済を終らせる』まで、一貫して、為政者の役割は、自己責任論から国民を解き放ち、消費増税で教育、医療、介護など基礎的なサービスを提供、将来不安のない生活を提供することだ、と訴え

                                                              「経済成長」「自己責任」にこだわるなら「スガノミクス」は失敗する(伊藤 博敏) @gendai_biz
                                                            • スウェーデンはユートピアなのか?──試練の中のスウェーデン(上)

                                                              <福祉国家、環境、デザイン、または重税、優生思想、治安悪化......。北欧スウェーデンに対するイメージは極端に振れている。一つ一つは間違っていないものの、その全体的なイメージ像は実像からはかなりかけ離れていると清水謙・立教大学法学部助教は指摘する。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆うまだら状の秩序」特集。同特集の論考「変わりゆく世界秩序のメルクマール――試練の中のスウェーデン」を3回に分けて全文転載する> はじめに――イデオロギーとしてのスウェーデン? 二〇一八年は日本とスウェーデンが外交関係を樹立してちょうど一五〇年の節目の年であった。一八六七年に徳川幕府が最後に結んだ修好通商航海条約はデンマークとであったが、翌一八六八年に明治政府が最初に結んだ修好通商航海条約の相手国はスウェーデンであった。その意味で、近代日本の外交はスウェーデンとの対外関係から始まったといえる。以来、日本とス

                                                                スウェーデンはユートピアなのか?──試練の中のスウェーデン(上)
                                                              • 集落調査の継続を求めます

                                                                集落調査・<村の履歴>は防災・環境保全に必要です 2023年1月20日18時00分の時点でこれまで1207名の方から賛同の署名をいただきました ! 2025年農業集落調査最終変更案に関する声明 New! PDF版 我々は、農水省の第1回2025年農林業センサス研究会で廃止が提案されてから、農業集落調査の存続と2020年方式での調査続行を社会に訴えてきました。 農業集落調査では、地形と結びついた地域コミュニティのあり方を調査しています。農業振興・伝統文化の継承のみならず、防災・広域災害への対応・教育の観点から、総務省他省庁とのデータとの連携によって、我が国のDX推進において比類のない威力を発揮するかけがえのない地理データです。 しかし、2025年農林業センサス研究会では、廃止の提案による一連の混乱により、調査方法や内容について十分な議論をする時間がありませんでした。その結果、2025年センサ

                                                                  集落調査の継続を求めます
                                                                • 戦前と現在、野党の悲しい一致 | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                                                  国民民主党が政府の「令和4(2022)年度予算案」に賛成した。メディアでは、自民党との連立政権を視野に入れているからだ、日本維新の会との違いを打ちだすためだ、と、さまざまな臆測が飛び交っている。 野党から見れば、よく言って異例、率直に言ってよければ、おきて破りの暴走だ。今後の「野党共闘」はもちろん、連合の神津里季生(りきお)前会長が繰り返し訴えてきた「大きな塊」からも遠ざかった。一線を越えた感はぬぐえない。 ただ、今回の課題は、玉木雄一郎代表の意図を勘繰ることではない。モラルの欠如を非難することでもない。いまの野党の置かれている状況に関して、私の感じている<既視感>を語りたい。 提案路線への転換 私が研究してきた1930年代は、福祉国家、ファシズム、社会主義等、さまざまな思想、体制、運動が勃興したシステム転換期だった。 周知のように、日本はファシズムへの道を歩んだ。ファシズムは「革命に対す

                                                                    戦前と現在、野党の悲しい一致 | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」
                                                                  • 第21回大佛次郎論壇賞 『人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき』 益田肇さん:朝日新聞デジタル

                                                                    第21回大佛(おさらぎ)次郎論壇賞(朝日新聞社主催)は、シンガポール国立大学准教授の益田肇(はじむ)さん(46)の『人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき』(岩波書店)に決まった。無名の人々の日常の営みと想像の連鎖が「冷戦」という新たな現実を生み出した過程を分析し、第2次世界大戦後の歴史に新たな光を当てた。来年1月28日、東京都内で朝日賞、大佛次郎賞、朝日スポーツ賞とともに贈呈式がある。 ■小さな行為の連鎖が生んだ枠組み 冷戦とは何だったのか。現代史研究における大きな問いに取り組んだ。大国間のせめぎ合いや政治指導者の駆け引きの物語ではなく、膨大な資料から草の根の人々の実感を積み重ねることで、冷戦初期の歴史を描き直した意欲作だ。 外交史に社会史を重ね合わせて見えてきた新たな歴史像は説得力がある。第2次世界大戦後の社会変動のただ中にいた欧米や東アジアの人々は、1950年の朝鮮戦争勃発に第

                                                                      第21回大佛次郎論壇賞 『人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき』 益田肇さん:朝日新聞デジタル
                                                                    • 新聞書評

                                                                      2018-19年に読売新聞の読書委員を務めました。委員は2週間に一回、読売新聞社の大きな会議室に集まり、大机に並んだ本の山を手さぐりながら、議論のすえ選書していました。専門外の本はその分野の方に感想を聞いたり、小説の書評は小説家の先生に書き方を教えてもらったりと、濃密かつ楽しい時間を過ごしました。本を読みながらご飯を食べても怒られない(というか皆そうしている)得がたい空間でした。 そのうえで、書評はこれまで関わった仕事のなかで一番大変でした。他の仕事は失敗しても(まあ)自己責任ですが、書評は他人様の本(しかも傑作)が相手だからです。なので毎回、必死の思いで書きましたし、神経を使いました。着任時に一瞬あった「高位の文化人ポジション」みたいな気持ちは、すぐさま「すみません、すみません、こんな書評で著者に失礼ではないでしょうか」とビクビクしたものに変わりました。そのぶん、書評した本が重版されたり

                                                                      • 安倍政権もとらわれていた 「成長神話」の誤り | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                                                        「格差拡大」は本当か 「安倍政権で格差が広がった」とよく言われるが、明確な根拠を示すべきだ。所得格差を示す「ジニ係数」は安倍政権下で改善した。アベノミクスによる円安誘導によって企業が海外に出て行かなくなり、国内の雇用者数は大きく増えた。実質賃金が下がったという指摘があるが、高齢者の退職後の非正規雇用が増えたことが影響している面もある。その非正規雇用も比率でみると安倍政権に入ってからはむしろ頭打ちになっている。 個別の政策を見ても、最低賃金を上げ、住居確保給付金という低所得者層の家賃補助にあたる制度改正もやった。また、幼稚園・保育園の無償化、低所得者層への大学授業料の無償化は、歴史的な改革とさえ言えるものだった。 成長至上主義の誤り 安倍政権の最大の間違いは、格差拡大にあるのではなく、「どうすれば成長するか」という問いの立て方しかできなかったことだ。 安倍政権下では、アベノミクスに加え、東京

                                                                          安倍政権もとらわれていた 「成長神話」の誤り | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」
                                                                        • 【終戦の日特集】政治とは戦争しないこと 元衆院議長・河野洋平さん | 社会, 時代の正体 | カナロコ by 神奈川新聞

                                                                          こうの・ようへい 1937年、平塚市生まれ。67年の衆院選に自民党から出馬し初当選。その後、14期連続当選。内閣官房長官や外相、自民党総裁などを歴任。アジア・軍縮を重視した議員外交に尽力、戦争責任問題にも積極的に取り組んだ。2003年から09年まで憲政史上最長となる衆院議長を務め、同年に引退した。 敗戦から72回目の夏。そして、平和憲法が施行されて70年が過ぎた。時の宰相、安倍晋三氏は戦後の平和主義の象徴でもある9条の改正への意欲をあらわにする。先の戦禍を語れる世代が年々減っていく中、われわれは平穏な日常、安定した社会をどのようにつくっていけるだろうか。終戦記念日(15日)に合わせ、元自民党総裁で衆院議長も務めたハト派の重鎮、河野洋平さん(80)、フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(30)、憲法学者で学習院大教授の青井未帆さん(44)、財政社会学者で慶応大教授の井手英策さん(45)の下を

                                                                            【終戦の日特集】政治とは戦争しないこと 元衆院議長・河野洋平さん | 社会, 時代の正体 | カナロコ by 神奈川新聞
                                                                          • 借金頼みの防衛費増と右への地滑り | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                                                            岸田文雄首相が防衛関係費を「相当」に増額する方針を示した。詳細はこれからだが、自民党は対国内総生産(GDP)比で2%程度をめざすべきだ、とかねて主張していたし、立憲民主党や日本維新の会など、一部野党からも賛成の声があがっている。 目まぐるしい変化 それにしても、ロシアのウクライナ侵攻後、なんと目まぐるしい変化だろう。報道を目にしながら、私は、2018年に公刊した『幸福の増税論』(岩波新書)という自著で示した問いかけを思い出していた。 私は、同書でこう問うた。日本は1997年からの20年間で防衛予算がほとんど増えなかった一方で、中国は11.5倍に増大させている事実をどう考えるべきか。中国脅威論を騒ぎたて、軍拡に軍拡で対抗するのはおろかだ。だが、そうした「正論」をぶつけるだけで、本当にリベラルは右傾化の圧力に耐えられるのか、と。 懸念はまさに現実になりつつある。一般会計における防衛関係費は20

                                                                              借金頼みの防衛費増と右への地滑り | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」
                                                                            • 「高齢者は集団自決」発言どう捉えるべきか 識者3人の見解 | 毎日新聞

                                                                              少子高齢化社会の日本。この国の未来をどう描けばいいのだろうか=東京・上野で2022年11月13日、丸山博撮影 「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」。30代後半の経済学者、成田悠輔さんが発した言葉が2月に海外メディアに取り上げられ物議を醸しました。 「今更蒸し返すのか」と言われるかもしれませんが、同じ世代としていまだにモヤモヤしています。「さすがに言い過ぎ」と思う一方で「格差に対する現役世代の不満があるのも事実」とも感じます。この発言、識者はどう捉えるのでしょうか。 著書に「シルバー民主主義 高齢者優遇をどう克服するか」(中公新書)がある八代尚宏・昭和女子大特命教授(77)▽福祉政策論に詳しい中央大の宮本太郎教授(64)▽経済社会学を専門とする慶応義塾大の井手英策教授(51)――の3人に話を聞きました。【山下智恵】 成田さんは、2021年12月17日に放送され

                                                                                「高齢者は集団自決」発言どう捉えるべきか 識者3人の見解 | 毎日新聞
                                                                              • 資本主義は生まれ変わるのか | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」

                                                                                2022(令和4)年度予算の国会審議が始まった。予算規模は「過去最大」の約108兆円、自民党総裁選で岸田文雄首相が示した「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」「予算の単年度主義の弊害是正」の実現をめざす。 22年度予算の分配戦略を見てみよう。まず、看護師に月額1万2000円、介護士、保育士等に月額9000円で平均給与を3%引き上げる。これに成長分野を支える人材育成や非正規労働者のステップアップ、円滑な労働移動の支援が加わり、さらに、下請け企業いじめ解消のための下請けGメンの人員倍増も盛り込まれた。 成長戦略を見てみると、「科学技術立国」と称し、過去最大の科学技術振興費を計上した。規模は約1兆3800億円である。また、デジタル庁予算の拡充、地方創生推進交付金のデジタル重点化なども掲げられた。 代わり映えしない予算 「成長と分配の好循環」が「新しい資本主義」をもたらす――これが岸田政権の主張

                                                                                  資本主義は生まれ変わるのか | | 井手英策 | 毎日新聞「政治プレミア」
                                                                                • 「パヨク」「売国奴」と罵られても僕は消費税の話をやめない 井手英策・慶大教授が特別寄稿

                                                                                  税の使いみちを通して、「弱者を生まない社会をつくる」「社会を語ろう、社会を変えよう、身近を革命しよう」と無骨なまでに私たちに迫る学者がいる。慶應義塾大学経済学部教授の井手英策さんだ。彼の提言のベースにあるのは消費税だ。だからずっと批判にさらされてきた。それでも主張を曲げず発言を続ける彼の本意はどこにあるのだろう?  衆議院選挙を控え、最新刊『どうせ社会は変えられないなんてだれが言った? ベーシックサービスという革命』を執筆した動機と合わせて井手氏が寄稿した。 * * * 複数政党が関心を寄せる「ベーシックサービス」が生まれた背景 30年近く昔のことだ。大学の授業料の「免除申請」がダメだった。電話で話せなかった僕は、帰省のタイミングを見はからって、母にその事実を告げた。強気でならしてきた母だったが、途方に暮れたような表情を見せた。目は涙でうるんでいた。 僕は母子家庭に生まれた。同居の叔母が暮

                                                                                    「パヨク」「売国奴」と罵られても僕は消費税の話をやめない 井手英策・慶大教授が特別寄稿