5月31 青木栄一『文部科学省』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 帯には「失敗はなぜ繰り返されるのか」の文句。確かに、大学入試への民間英語試験の導入失敗、共通テストへの記述問題の導入失敗、教員試験の倍率低下、日本の大学の研究力の衰退、ろくに機能しているとは思われない教員免許更新制度など、近年の文部科学省の政策は失敗続きの印象が強いです。 もちろん、これらの政策の言い出しっぺの多くは政治家であり、すべてが文科省の責任というわけではありませんが、さまざまな面で不甲斐なさを感じる人も多いでしょう。 本書は「なぜそうなってしまうのか?」という疑問に答える本です。 2年前に出た著者の編著『文部科学省の解剖』では、主に官僚サーベイ(アンケート調査)を中心に文科省の官僚の行動や思考のパターンを探っていたので、今回もそのデータをもとにして一般向けに論じたものかと予想していましたが、サーベイで得